著者
大屋 一弘 Oya Kazuhiro 琉球大学農芸化学科
出版者
沖縄農業研究会
雑誌
沖縄農業 (ISSN:13441477)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.41-44, 1965-12
被引用文献数
1

沖縄本島酸性土壤の国頭礫層土壤及びアルカリ性土壤の泥灰岩土壤を用いて,パソゴラグラスに対するりん酸の肥効をポット栽培で試験した。Pの量は各土壤に10a当り0,6,15,22,37kgの5段階を施用し,P施用量に対するパンゴラグラスの収量及びP_2O_5吸収量を調べた。国頭礫層土壤においては石灰区と無石灰区を設けたが,石灰区では過石の形でPを15kg施用した時,ハイホスカの形ではPを22kg施用した時に最高の収量が得られた。無石灰区では過石及びハイホスカいずれの場合でもPを37kg施用したもので最高の収量が得られた。そして石灰施用の有無によって過石及びハイホスカのりん酸肥効は相違を示す傾向がみられた。泥灰岩土壤においては過石の形ではPを15kg施用した場合,またハイホスカの形ではPを37kg施用した場合に最高の収量が得られた。パンゴラグラスのP_2O_5吸収量は,国頭礫層土壤及び泥灰岩土壤に共通して,過石及びハイホスカの間で相違はなかった。国頭礫層土壤においてパンゴラグラスのP_2O_5吸収量が石灰施用によって減少するような傾向は見られなかった。