- 著者
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生山 厳
小林 省蔵
- 出版者
- 園藝學會
- 雑誌
- 園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
- 巻号頁・発行日
- vol.62, no.1, pp.89-93, 1993
- 被引用文献数
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単胚性二倍体のカンキツ,クレメンティン,'リー','清見'および'安芸津10号'('カラ'×ポンカン)を種子親とし,二倍体ナルト×四倍体フナドコより得た三倍体実生を花粉親として交配を行った.交配果は成熟時に収穫し,各果実より取り出した完全種子を試験に供した.<BR>完全種子より得た実生は大部分が二倍体で,その他異数体や一部三倍体および四倍体も認められたが,クレメンティンを種子親にしたものから2個体,'リー'を種子親にしたものから1個体の半数体が得られた.半数体の胚は,二倍体の胚と比較して大きさにほとんど差がなく,発根も正常に起こり,発根後の直根の伸びも順調であった.しかし,土に移植した後は成育は著しく劣った.これら半数体について核リボソームRNA遺伝子および葉緑体DNAの分析を行い,その起源を推定した.その結果,いずれの個体についても種子親に特異的なバンドが認められたが,花粉親に特異的なバンドは認められず,これらはいずれも種子親起源の半数体であると考えられた.