- 著者
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門脇 秀策
田中 啓陽
- 出版者
- Japanese Society for Aquaculture Science
- 雑誌
- 水産増殖 (ISSN:03714217)
- 巻号頁・発行日
- vol.41, no.1, pp.61-65, 1993-03-20 (Released:2010-03-09)
- 参考文献数
- 9
本研究は熊本県天草郡のクルマエビ養殖場で得た1988年および1991年のそれぞれ4月から11月までの観測資料を解析して, クルマエビ養殖場の水温および透明度に視点を置いて, クルマエビの成長速度との関係から水質評価を試み, 次の知見を得た。1) クルマエビの成長が通常の成長曲線として, ブリの成長解析に用いた井上・田中の式を用いて解析し, 種類によって決まる定数γ=0.50を定めた。2) 水質要因に係わる定数λ値の上限値を対象にみれば, λ値は水温とともに高くなり, 水温27~28℃で最大値が得られ, 29℃以上では急減する傾向がみられた。これらの結果は現場における経験的な知見とよく合致する。3) 透明度が50cm以下ではλ値は大きな変化はないが, 50cm以上ではλ値は減少の傾向を示した。この結果から, クルマエビ養殖池の透明度は50cm以下に保持することがクルマエビの良好な成長を期待し得ると考えられる。以上の結果から, クルマエビ養殖現場における透明度の測定は水質評価のうえで有効な指標になり得ると思われる。