著者
田中 單之
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.55-64, 1988

全十場から成るこの戯曲には、九場までと、第十場との間に、作品としての断層がある。そのため、第十場を不要、蛇足と考える立場と、しかし、にもかかわらず第十場を絶対必要と考える立場とが、研究者の間にある。筆者は後者の立場に立ち、前者の立論の誤り、もしくはあいまい性を指摘し、合わせて第十場の意味を論じた。