著者
田中 実マルコス
出版者
佛教大学
雑誌
佛教大学大学院紀要. 文学研究科篇 (ISSN:18833985)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.33-48, 2011-03-01

黄檗宗萬福寺開山隠元禅師(以下諸師敬称略)とともに来日した獨湛は、後に萬福寺の第四世となる。獨湛は日本で『勧修作福念佛図説』を上梓し、念仏教化の資糧とした。それは昭和初期まで十刷も刊行されるほど用いられた。『勧修作福念仏図説』の左右には長文があり、その典拠は蓮宗九祖の一人に数えられる明代の雲棲.宏のものであると伝えられているが、今回はそれを証明し、さらに『勧修作福念佛図説』が近世日本の念仏教化にどのような影響を及ぼしたかを考察する。