著者
黄 泰平 藤川 正博 安政 啓吾 田中 恒行 広田 将司 西田 幸弘
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.70, no.12, pp.3512-3516, 2009 (Released:2010-05-20)
参考文献数
11

筆者はラテックスおよび手袋,薬品アレルギー患者となった.手袋のパウダーフリー化およびアレルギープロテクトグローブとしてのポリウレタン手袋内履きの試みを報告する.症例(筆者):1985年外科医として勤務.手の皮膚炎から,ラテックスフルーツ症候群,喘息,全身の小痒疹出現.I型およびIV型アレルギーが重症化し,2004年に離職.パウダーがラテックス抗原暴露の原因となるため院内のラテックス手袋はパウダーフリーとし,合成ゴム手袋で2005年に復職.しかし,IV型アレルギーが再燃したため2008年より添加化学物質のない未滅菌ポリウレタン手袋(デュラクリーン®ライクラ®)を内覆きし,速乾式アルコールを塗り合成ゴム手袋をはめる方法で手術を施行し,アレルギー反応は改善した.結語:1,ラテックス手袋はすべてパウダーフリーにすべきである.2,ポリウレタン手袋を内履きすることはアレルギー対策に有効である.
著者
黄 泰平 藤川 正博 安政 啓吾 田中 恒行 広田 将司 西田 幸弘
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.70, no.11, pp.3240-3244, 2009 (Released:2010-04-05)
参考文献数
12
被引用文献数
1 3

正中切開法は通常は臍をよけて切開されている.一方,欧米では臍に切開を加えても合併症に差はなく,むしろ美容上よいと報告されている.最近,臍を利用した腹腔鏡手術,豊胸術などの報告を認める.2007年2月より当科では腹腔鏡手術のみならず正中切開は臍に切開を加えてきた(臍切開法).手技の要点は,臍の最深部の直上および直下の白線に吸収糸をかけて臍がずれないように縫合閉腹する.臍の上,下の皮膚にはステープラーをかけるが,臍の皮膚は縫合しない.特有の合併症もなく,切開創が直線的であり,皮膚切開線が短縮でき,美容上よい.白線が狭い下腹部でも臍部から正中を容易に同定できる.結語:臍をよけて切るという慣習的な考えを捨て,臍切開法は一般的に行われるべき標準手技であると考える.
著者
黄 泰平 藤川 正博 安政 啓吾 田中 恒行 広田 将司 西田 幸弘
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌
巻号頁・発行日
vol.70, no.11, pp.3240-3244, 2009
被引用文献数
3

正中切開法は通常は臍をよけて切開されている.一方,欧米では臍に切開を加えても合併症に差はなく,むしろ美容上よいと報告されている.最近,臍を利用した腹腔鏡手術,豊胸術などの報告を認める.2007年2月より当科では腹腔鏡手術のみならず正中切開は臍に切開を加えてきた(臍切開法).手技の要点は,臍の最深部の直上および直下の白線に吸収糸をかけて臍がずれないように縫合閉腹する.臍の上,下の皮膚にはステープラーをかけるが,臍の皮膚は縫合しない.特有の合併症もなく,切開創が直線的であり,皮膚切開線が短縮でき,美容上よい.白線が狭い下腹部でも臍部から正中を容易に同定できる.結語:臍をよけて切るという慣習的な考えを捨て,臍切開法は一般的に行われるべき標準手技であると考える.