- 著者
-
田中 譲治
- 出版者
- 公益社団法人 日本口腔インプラント学会
- 雑誌
- 日本口腔インプラント学会誌 (ISSN:09146695)
- 巻号頁・発行日
- vol.34, no.2, pp.131-140, 2021-06-30 (Released:2021-09-10)
- 参考文献数
- 22
デジタルデンティストリーの発展には目を見張るものがある.模型から補綴装置を製作するCAD/CAM技術は成熟期にきているなか,印象採得においても精度の優れた汎用性の高い口腔内スキャナーが開発され注目されている.著者はすでに自費治療のほぼすべてに口腔内スキャナーを用いているが,次のようにさまざまな利点やインプラント治療においても多くの臨床応用が可能となり,良好な成果を得ているので報告する.1.避けることのできなかった印象材歪や石膏歪を解消,不快感の軽減/2.ソフトウェアを利用したバーチャルならではの診査と応用/3.材料コスト削減,感染防止,搬送時間短縮/4.動揺が大きい歯でも印象採得が可能.抜歯後即時荷重への応用/5.プロビジョナルレストレーションを忠実に再現/6.インプラントオーバーデンチャーへの応用,在宅診療への応用/7.「IOSデンチャーコピー法」および「IOSコピーデンチャー法」の利用以上のように口腔内スキャナーはさまざまな利点があり,広く普及することは確実と考えられ,口腔内スキャナー時代の到来といえよう.