著者
葛谷 雅文
出版者
公益社団法人 日本口腔インプラント学会
雑誌
日本口腔インプラント学会誌 (ISSN:09146695)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.133-139, 2019-06-30 (Released:2019-08-10)
参考文献数
21

超高齢社会を迎えたわが国では,今後もなお高齢者が増加することが予測されている.今後いかに要介護状態の高齢者数の伸びを抑制し,健康寿命の延伸を図るかはわが国において喫緊の課題である.一つの視点はフレイルやサルコペニアの発生を予防することである.また,これらの病態には口腔機能との関連が強いことが最近の研究で明らかにされてきている.今後医科歯科問わず,日本全体で取り組むべき問題である.
著者
中川 雅晴
出版者
公益社団法人 日本口腔インプラント学会
雑誌
日本口腔インプラント学会誌 (ISSN:09146695)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.156-163, 2017-09-30 (Released:2017-11-05)
参考文献数
18

チタンは優れた耐食性を有するが,酸性フッ素環境では容易に腐食することが知られている.pHが低下しているプラーク内面や歯肉縁下などにフッ素含有歯磨剤が投入されると,一時的に酸性フッ素環境となりチタンの腐食が生じる可能性がある.一時的な腐食が長期間累積すると,腐食孔や腐食組織に発展する.腐食によって表面が粗糙化するとプラークや口腔内細菌の付着が助長され,インプラント周囲炎等の発症のリスクになるおそれがある.したがってチタンインプラントが埋入されている場合,フッ素含有歯磨剤の使用を控えるか,フッ素濃度の濃い歯磨剤がインプラント体に触れないように,インプラント埋入部以外の場所からブラッシングを開始することを推奨する.
著者
松井 孝道
出版者
公益社団法人 日本口腔インプラント学会
雑誌
日本口腔インプラント学会誌 (ISSN:09146695)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.164-173, 2017-09-30 (Released:2017-11-05)
参考文献数
16

骨と結合し軟組織とも生体親和性の高いチタンは耐食性にも優れ,現在インプラントに使用される主な材料となっている.しかし,口腔内である一定の条件下におかれると腐食するとの報告がある.チタン腐食の原因となる因子としてチタン表面におけるpH,溶存酸素濃度,フッ素の存在などが挙げられる.インプラントの周囲環境となる口腔内は種々の細菌による有機酸,pHの低い食品・飲料物,炎症に伴うpH の低下,深いインプラント周囲ポケット内における溶存酸素濃度の低下,フッ素入り歯磨剤の使用など過酷な環境下にある.臨床においても,インプラント周囲肉芽組織からのチタン元素の検出やチタン表面において腐食孔が多数観察されている.チタンの組織内溶出はインプラント周囲炎において骨吸収を加速させるという報告もあり,さらには粘膜貫通部の鏡面研磨面における多数の腐食孔の形成はインプラントのメインテナンスに不利となる.基礎研究において歯磨剤レベルでのフッ素のチタンに対する腐食の影響が指摘される中,臨床でもチタンの腐食が観察される以上,現時点ではその原因となりえるフッ素入り歯磨剤のインプラントへの使用はインプラントの長期安定を維持するうえで注意を要すると思われる.
著者
菊谷 武
出版者
公益社団法人 日本口腔インプラント学会
雑誌
日本口腔インプラント学会誌 (ISSN:09146695)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.102-106, 2019-06-30 (Released:2019-08-10)
参考文献数
12

口腔機能は加齢とともに低下する.全身の機能の低下に伴い低下する.歯やインプラントの存在は,健康増進やフレイル予防に有効である.一方で身体機能の低下した患者にとってはその効力を相対的に失う.さらに重症の要介護状態では,歯やインプラントの存在が口腔環境や生命のリスクとなる場面もある.歯の存在がリスクとならないように,あらゆるステージにおいても口腔管理が適正に実施されなければならない.自立を失った高齢者に十分な口腔管理が提供できない現状は早期に解決しなければならない歯科の課題である.
著者
梅村 眞理 百田 義弘 松木 直人 小谷 順一郎
出版者
公益社団法人 日本口腔インプラント学会
雑誌
日本口腔インプラント学会誌 (ISSN:09146695)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.651-658, 2007-12-31 (Released:2014-04-10)
参考文献数
12

Intravenous sedation under the supervision of dental anesthesiologists is an increasingly common procedure in private dental clinics performed to ensure the safety and comfort of patients undergoing oral implant surgery. A questionnaire survey of patients following dental implant surgery was conducted to assess the level of recognition/understanding of intravenous sedation,presence or absence of various types of uncomfortable events during the perioperative period, and requests/expectations of patients regarding this type of sedation. A questionnaire was administered to a total of 55 patients who underwent intravenous sedation in a private dental clinic during the period between November 2004 and February 2006. Only 32.7% of patients were familiar with the term “intravenous sedation”. Since a total of 90.9% of patients had no or very little memory of events during surgery, the amnestic effects of sedative agents used were considered sufficient. Only a small number of patients reported uncomfortable perioperative events such as maintenance of a posture for a long period of time and coughing due to irrigation. Almost all patients indicated that they were comfortable during the operation, though 7.3% were bothered by the absence of memory during surgery. In order to ensure that patients can fully benefit from the amnestic effects of intravenous sedation, cooperation among the dentist, patient, and dental anesthesiologist during surgery, as well as preoperative management, is necessary.
著者
森 厚二 日高 勇一 中島 三晴 鬼澤 徹 矢ヶ﨑 裕 鈴木 和夫 五十嵐 俊男 伊藤 充雄
出版者
公益社団法人 日本口腔インプラント学会
雑誌
日本口腔インプラント学会誌 (ISSN:09146695)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.185-192, 1999-06-30 (Released:2016-08-20)
参考文献数
15

Three kinds of bone filling materials were prepared by combining powder, including CaO, CaSiO3 and hydroxyapatite (HAP), and chitin and chitosan. The proportion of CaO, CaSiO3 and HAP was 4.5%, 6.0% and 89.5%. This powder 0.54 g (A), 0.67 g (B) and 0.80 g (C) were kneaded with chitin and chitosan sol 2.2 g and hardened, respectively. These materials were evaluated in the experiment animal and osteoblastic cells. The purpose of this study was to discuss which materials were most desirable for the bone filling materials. In an animal experiment, tissue reactions were similar in each material and were characterized by granulation tissue formation with inflammation. In the osseous tissue, repairs at defected sites(B and C) and direct relationship between material A and bone were seen. Cultured cell examination revealed that DNA contents and alkaline phosphatase activity in material A were significantly higher than those in control. Results of this study indicated that material A, 0.54 g mixed in chitin and chitosan sol 2.2 g, was most effective for the bone formation.
著者
梅原 一浩 小林 恒 山崎 尚之 夏堀 礼二 田中 純一 佐藤 雄大 佐々木 智美 木村 博人
出版者
公益社団法人 日本口腔インプラント学会
雑誌
日本口腔インプラント学会誌 (ISSN:09146695)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.49-55, 2018

<p>若年者に対するインプラント治療の適応や埋入方法は,個々の成長と発育に左右されるため,慎重な診断と成長予測に基づいた治療計画が必須となる.今回,16歳女性の上顎前歯部にインプラント治療を行い,20年以上の長期に渡って機能的・審美的に満足な結果が得られたので報告する.</p><p>本症例では,20年の間にインプラント上部構造と隣在する中切歯切端との間に約2.1mmの差が生じた.このような垂直的位置変化には,顎骨の成長,第三大臼歯の萌出,永久歯列の経年的変化など種々の要因が影響するものと思われた.確かに,成長が終了するのを待ってからインプラント治療を行う方が望ましいと思われるが,先天性欠損や外傷による少数歯欠損などの理由から若年者にインプラント治療を求められることもある.そのような場合は,各々の患者の成長曲線,骨年齢,第三大臼歯の萌出力などによる影響やセファログラムによる矯正的分析を考慮しなければならない.また,隣在歯の位置を確認した後,インプラント体を口蓋側寄りとし,深くなりすぎないよう慎重に埋入することも重要である.</p>
著者
湯川 健 立川 敬子 宗像 源博 塩田 真 春日井 昇平
出版者
公益社団法人 日本口腔インプラント学会
雑誌
日本口腔インプラント学会誌 (ISSN:09146695)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.175-180, 2014-06-30 (Released:2014-07-25)
参考文献数
15

A questionnaire survey was conducted to determine the information required by patients prior to providing informed consent for dental implant surgery. Questionnaires were distributed to 1,585 patients who visited the Tokyo Medical and Dental University Hospital for oral implants between January 2012 and December 2012, of which 1,159 (73%) valid questionnaires were collected. The results showed that preservation of an adjacent tooth was the reason that 32% of participants chose implant therapy. Over 70% of participants indicated that their main concerns regarding implant therapy were aftereffects of surgery, the number of years the implants would be in place, and treatment cost. Regarding knowledge about implant therapy, patients' most frequent reply was“ I do not know” when asked about postoperative pain, peri-implantitis, the importance of implant maintenance, and the relationship between general health and implant therapy. Fifty-nine percent of the patients recognized smoking as a risk factor for periodontal disease, of which 23% recognized smoking as a risk factor for implant therapy. Sixty-one percent of patients replied“ more than 20 years” when asked about the number of years that they believed the implants would be in place. This research identified the information required by patients in order to provide informed consent. Comprehensive information is required before informed consent is sought, as the majority of patients did not possess sufficient knowledge regarding implant therapy.
著者
森永 太 伊東 隆利 阿部 成善 添島 義樹 土屋 直行 松井 孝道 飯島 俊一 川口 和子
出版者
公益社団法人 日本口腔インプラント学会
雑誌
日本口腔インプラント学会誌 (ISSN:09146695)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.170-179, 2018-06-30 (Released:2018-07-25)
参考文献数
15

長期症例のインプラントに対して,しばしばインプラントの残存率が一つの成功基準として使用される.しかし,患者の実態を知るにはそれだけでは十分といえない.この研究の目的はインプラント治療を受けた患者の長期経過の実態を知ることである.我々は,インプラント治療後20年以上経過した患者に対しアンケート調査を行った.患者は九州インプラント研究会に所属する歯科医師によって治療された.アンケートは1,168名に送付し509名からの回答を得た(回答率44%).回答者の内,78%がインプラントに何も問題ないと答えた.また,歯の経過については68%が何もないと回答した.食事については84%が何でもよく噛めると回答した.また93%がインプラント治療に満足していると回答した.
著者
岸本 裕充 高岡 一樹
出版者
公益社団法人 日本口腔インプラント学会
雑誌
日本口腔インプラント学会誌 (ISSN:09146695)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.191-199, 2017-09-30 (Released:2017-11-05)
参考文献数
26

2010年にわが国の5学会の顎骨壊死検討委員会から出されたポジションペーパーが2016年に改訂され,骨吸収抑制薬関連顎骨壊死(ARONJ)の新しい診断基準が示された.ビスフォスフォネートやデノスマブのような骨吸収抑制薬は,骨転移を有する悪性腫瘍患者や骨粗鬆症に投与されており,ARONJは骨吸収抑制薬で治療を受ける患者におけるまれな合併症である.ポジションペーパーには,医師と歯科医師との間の相互連携と協力がARONJを管理するために重要,と提唱されている.まず,骨吸収抑制薬による治療開始までに,抜歯などの骨への侵襲を伴う歯科治療は終えておくことが望ましい.医師から歯科医師への依頼は少ないのが現状で,これを増やすことが急務である.そして,治療開始までに口腔管理が開始されたとしても,骨吸収抑制薬を投与中に歯性感染症を生じることはあり得る.抜歯はARONJ発症のリスク因子の1つとされるが,抜歯を避けることによる感染の持続もまたリスクであり,必要に応じて抜歯する.ARONJ予防のための骨吸収抑制薬の休薬の有効性は証明されていないため,医師と歯科医師との間で慎重に協議,検討する.
著者
飯田 吉郎
出版者
公益社団法人 日本口腔インプラント学会
雑誌
日本口腔インプラント学会誌 (ISSN:09146695)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.245-251, 2017-12-31 (Released:2018-02-15)
参考文献数
15

近年,上部構造装着後の,インプラント周囲炎に代表される生物学的合併症が数多く報告されるようになってきたが,インプラント周囲組織を長期的に健全な状態で維持するためには,上部構造の材質や形態などの補綴学的な要因が大きく関与していると考えられる.この稿ではインプラント上部構造の歯肉貫通部に焦点を当て,歯肉貫通部においてプラークリテンティブファクターとなりうる要素を排除していくための補綴物の条件を,歯肉貫通部の材質・歯肉貫通部の形態・上部構造の装着様式・複数歯における連結の必要性の有無について考察し,またそれを受け入れる生体側の条件も併せて考察していく.
著者
都留 朋子 江﨑 大輔 松﨑 達哉 松下 恭之 築山 能大 古谷野 潔
出版者
公益社団法人 日本口腔インプラント学会
雑誌
日本口腔インプラント学会誌 (ISSN:09146695)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.278-286, 2017-12-31 (Released:2018-02-15)
参考文献数
29

Purpose : This study was performed to investigate and compare the mechanical influence of attachment types on the implant and mucosal tissue under the posterior part of implant overdentures (IOD) with a combination of mechanical reaction analysis and structural analysis using the finite element method (FEM) .Methods : Implant overdentures with ball attachments (B-IOD), implant overdentures with locator attachments (L-IOD), and complete dentures (CD) were established in the experiment model. A 50 N load was applied onto the right first molar position of the overdenture, and the bending moment on each implant and the overdenture displacement were measured. Additionally, the FEM model was prepared based on DICOM data of the in vitro model. The interface between the denture base and mucosal tissue was assumed to be a contact interface, not a continuous interface. Displacement data measured by the experiment model analysis were inputted into the FEM model, and the stress distribution in the mucosal tissue under the posterior part of the denture was evaluated.Results : In the L-IOD, the bending moment in the loaded-side implant was greater than that in the nonloaded side. In the B-IOD, the stress on both the loaded and non-loaded sides was smaller and almost equal. Mucosal stress in the loaded posterior part using B-IOD was the highest among the B-IOD, L-OD, and CD. The mucosal stress in the L-IOD was lower than that in the B-IOD and CD on both the loaded and non-loaded sides.Conclusion : Stress in the mucosal tissue under the denture base was able to be evaluated using a combination of mechanical reaction analysis and FEM analysis. Differences in the mucosal stress distribution were detected among the CD, B-IOD, and L-IOD. The highest mucosal stress value was shown in the B-IOD.
著者
吉成 正雄
出版者
公益社団法人 日本口腔インプラント学会
雑誌
日本口腔インプラント学会誌 (ISSN:09146695)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.182-190, 2017-09-30 (Released:2017-11-05)
参考文献数
22

中性フッ化物の応用がチタンインプラントの耐食性に与える影響およびインプラント周囲炎を増悪させる可能性について検討した結果,以下が明らかとなった.①チタンイオンの溶出を引き起こす因子はフッ化物以外にも様々あり,インプラント周囲炎=フッ化物と一義的に限定するのには無理がある.②酸性(pH低)のフッ化物のみがチタンを腐食する.③歯肉縁下および縁上において,持続的なpH低下を支持するエビデンスはない.④急性炎症により生ずるpHの低下はほとんどない.⑤歯肉縁下において溶存酸素濃度が低下してもpHは低下せず腐食の危険性は少ない.⑥チタンへのフッ化物の応用は,抗菌性の付与など,積極的一面も存在する.以上より,中性フッ素化物の応用がチタンを腐食させる可能性が少ないことから,中性フッ化物の応用がインプラント周囲炎を増悪させる可能性はきわめて少ない.
著者
吉田 明弘 西嶋 寛 角南 次郎 西嶋 克巳 岩田 雅裕 森島 秀一
出版者
公益社団法人 日本口腔インプラント学会
雑誌
日本口腔インプラント学会誌 (ISSN:09146695)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.34-40, 1996-03-31 (Released:2017-11-05)
参考文献数
14

In recent years, implants have been widely used in dental and oral fields. Many investigators have reported the indication of implants. Most of these cases progressed well, but the others did not. To investigate the patient's awareness of dental treatments for removal of dental implants, we mailed a questionnaire to 33 patients. 1. The rate of collected questionnaires was 81.8%. 2. 92.6% of the patients underwent treatments such as partial dentures after removal of the implants, but only 40% of the patients were satisfied with these treatments. 3. This investigation clarified that informed consent between the dentists and the patients was insufficient.
著者
眞木 吉信
出版者
公益社団法人 日本口腔インプラント学会
雑誌
日本口腔インプラント学会誌 (ISSN:09146695)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.174-181, 2017-09-30 (Released:2017-11-05)
参考文献数
39

フッ化物配合歯磨剤は成人や高齢者にも,う蝕予防効果をもたらすことは周知の事実である.近年,一部の基礎実験研究の結果をもとに,フッ化物配合歯磨剤がインプラント周囲炎のリスクになる可能性が指摘されている.日本口腔衛生学会ではフッ化物配合歯磨剤がインプラント周囲炎のリスクになるか評価することを目的として,ヒトを対象とした疫学研究および5つの観点からの基礎研究を文献データベースより収集した.その結果,実際にヒトを対象とした疫学研究は存在しなかった.さらに,基礎研究の結果から,1)pHが4.7以下の酸性状態が継続した場合,フッ化物配合歯磨剤によりチタンが侵襲されうるが,中性,アルカリ性,または弱酸性のフッ化物配合歯磨剤を利用しても,侵襲の可能性はきわめて低い,2)歯磨剤を利用しないブラッシングでもチタン表面が侵襲され,歯磨剤を利用したブラッシングでもフッ化物の有無による侵襲の程度に差はない,3)チタン表面の侵襲の有無で,細菌の付着に差はなく,フッ化物の利用により細菌の付着が抑制された報告も存在する,4)実際の口腔内では唾液の希釈作用でフッ化物イオン濃度は低下するため侵襲の可能性は低い,5)フッ化物配合歯磨剤の利用により細菌の酸産生能が抑制されるため,チタンが侵襲されるpHにはなりにくいことが分かった.以上の結果をまとめると,チタンインプラント利用者にフッ化物配合歯磨剤の利用を中止する利益はなく,中止によるう蝕リスクの増加が懸念される.
著者
古谷野 潔 山田 隆司 松下 恭之 竹下 文隆 木原 昭裕 末次 恒夫
出版者
公益社団法人 日本口腔インプラント学会
雑誌
日本口腔インプラント学会誌 (ISSN:09146695)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.273-278, 1996-09-30 (Released:2017-11-05)
参考文献数
20

The purpose of this study was to examine the applicability of the newly-established method to analyze distribution of occlusal force among implant superstructure and natural teeth at different clench levels. Dental Prescale (Fuji Film Co. Tokyo) was used to record occlusal contacts and the force loaded on each of them. Four clench levels, which were 25, 50, 75, and 100%MVC, were regulated by visual biofeedback of masseter muscle EMG. This method was applied to five patients who received osseointegrated implants at the prosthodontic clinic of Kyushu University Dental Hospital attached to The Faculty of Dentistry and the applicability of the method was discussed. The results indicated that the Implant Support Ratio, which was defined in this study, can be used for the quantitative evaluation of the occlusal force distribution among implant superstructure and natural teeth at different clench levels. It was suggested that the distribution of occlusal force depends not only on the patterns of missing teeth but also the occlusal scheme and the conditions of the residual natural teeth.
著者
澤井 俊宏 新美 敦 山田 陽一 渡邊 和代 小関 健司 中井 英貴 本田 雅規 藤本 雄大 野阪 泰弘 上田 実
出版者
公益社団法人 日本口腔インプラント学会
雑誌
日本口腔インプラント学会誌 (ISSN:09146695)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.97-102, 1996-03-31 (Released:2017-11-05)
参考文献数
10

In the severely atrophic maxilla, prosthetic rehabilitation is difficult. However, rehabilitation using osseointegrated implants with bone grafting can resolve this problem. Among the various methods of bone graft to the maxilla, sinus lift is commonly used. This report presents two cases of oral rehabilitation using osseointegrated implants with the sinus lift. In case 1, grafted bone was harvested from the mental region of the mandible, and implantation was performed at the same time as the autogenous corticocancellous bone block graft. In case 2, grafted bone was harvested from the alveolar bone in the anterior region of the mandible, and implantation was performed secondarily after the autogenous particulate bone graft. Bone biopsy for histological analysis was performed in the above two cases. In both cases, new trabecular bone was observed in the augmented sinus floor. However, the trabeculae were more dense on the alveolar side than in the central area. In the case with splintered bone, empty bone lacunae were seen in the grafted region.
著者
西嶋 寛 吉田 明弘 角南 次郎 西嶋 克巳 岩田 雅裕 森島 秀一
出版者
公益社団法人 日本口腔インプラント学会
雑誌
日本口腔インプラント学会誌 (ISSN:09146695)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.29-33, 1996-03-31 (Released:2017-11-05)
参考文献数
8

In recent years, implants have been widely used in dental and oral fields. Many cases have been reported, and the indication of implants has been investigated. Many cases progressed well, but a few cases did not. The unfavorable cases of dental implant were reexamined by clinical observation. The results were as follows 1. The number of unfavorable cases of dental implant increased until 1992 but decreased after 1993. 2. The patients were 20 males and 29 females, and 83.7% of them were 40-69 years of age. 3. Pain was the most common chief complaint of the patients, followed by swelling. 4. Systemic diseases, including hypertension and diabetes mellitus, were noted in 63.3% of the patients. 5. Only 24.5% of the patients who visited our department were referred to us by the dentists who performed the implantations. 6. Right after implantation, 26.5% of the patients showed symptoms. 7. Treatment at our department was removal of most of the implants.
著者
田辺 俊一郎 松田 成彦 山本 正剛 永山 元彦 永原 國央
出版者
公益社団法人 日本口腔インプラント学会
雑誌
日本口腔インプラント学会誌 (ISSN:09146695)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.533-539, 2005-12-31 (Released:2014-11-15)
参考文献数
6

The bone augmentation method for dental implants has become a main means of controlling the prognosis of dental implants in clinical treatment. Platelet-rich plasma (PRP) has been accepted as a safe material which can be extracted from the blood of patients. Furthermore, PRP is used in many treatments to enhance bone formation. The aim of this study was to identify what kind of growth factor was affected by PRP on bone formation in an animal experiment. Six adult dogs were selected, and four implants were placed in the lower jaw of each dog; two implants were located on the right side and the other two on the left side, to obtain control and experimental sides respectively. After that, an artificial bony defect was made between two implants on both sides, and then the defect on the experimental side was filled up with PRP extracted from the same dog. Radiographic, histological and immunohistochemical methods were used for a comparative analysis. The results showed new bone formation due to PRP at the first week after the operation, and it was identified by both radiographic and histological methods. In addition, positive reactions of PDGF in immunohistochemical qualitative analysis and quantitative search were confirmed. From the data it was concluded that PDGF was the main growth factor for the bone formation when PRP was applied to the artificial bony defects of the studied dogs.