著者
田丸 理砂
出版者
フェリス女学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究ではヴァイマール共和国時代の女性と文学の関係を都市大衆文化の文脈から探った。ヴァイマール時代のベルリンに成立した都市大衆文化は女性作家に表現の可能性を拓いた。マスメディアは多くの読者を獲得するために女性の表現者を求め、女性作家の中には、当時の憧れの女性像「新しい女」のイメージを代表する都市の女性ホワイトカラーの現実を、女性の視点から描く者も現れた。ヴァイマール時代の女性作家の急増は文学の大衆化をもたらし、文学における女性の世界の発見へと導く一方、結果として文学の場に新たなジェンダー構造を築くことにもつながった。