著者
安部 素実 田原 志浩 大和田 哲
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.313, pp.25-29, 2011-11-17

マイクロストリップ結合線路で構成されるカプラは、ストリップ導体の間隔と幅の製造限界により、一定以上の密結合度を得るのが困難、また偶・奇モードの位相速度が異なることから、方向性が劣化しやすい問題がある。これらの課題に対し、マイクロストリップ結合線路で構成される多段カプラにおいて、最も密結合となる1/4波長結合線路の幅を一部狭くするとともに、幅を狭めていない部分にズリットを設ける構造で密結合かつ高方向性を得る手法を提案する。ここでは、本1/4波長結合線路を用いた多段カプラを検討し、カプラとしての所望結合度を実現するために、最密結合段の特性インピーダンスを他段より高くする手法も用いている。提案構成を適用した多段マイクロストリップ結合線路型カプラの試作評価を行った結果、比帯域162%にわたり良好な特性が実現し、本構成の有効性が確認された。