著者
田山 令史
出版者
佛教大学
雑誌
仏教学部論集 (ISSN:2185419X)
巻号頁・発行日
vol.97, pp.21-35, 2013-03-01

本居宣長の言語学は彼の三十代のころ、完成している。宣長はこの研究を四十代から本格化する『古事記伝』著述の基礎に置く。この論文では、宣長の語学を係り結び研究と語音研究の二分野に分け、『天尓遠波飛毛鏡』(明和八年)と『漢字三音考』(天明五年)を分析する。宣長の係り結びと語音についての思想は、ともにその一般性において際立つ。この一般性の性質、そして宣長の主張する言語の自然性との関連を探る。国語学は係り結びや音韻について、充実した研究史を持つ。重要な研究を顧慮しながら、この自然性の強調を考察する。