著者
田村 三智子
出版者
沖縄大学
雑誌
地域研究 (ISSN:18812082)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.205-211, 2006-03-31

本研究の目的の一つは、沖縄都市モノレールの開通が国際通りと新都心へどのような影響を与えたのかを分析することであり、もう一つは、消費者の日常の購買行動を明らかにすることである。利用するデータは、モノレール開通約1年後の2004年7月10日(土)、11日(日)に那覇都心部でおこなった、来街者ベース聞き取り調査によるマイクロデータである。結果として、モノレール開通による、都心部へのアクセスする際の平均所要時間の短縮、平均交通費の減少、出向頻度の増加、利用交通機関の変化などが明らかになった。特に新都心においては、国際通りを上回る平均所要時間の短縮、平均交通費の減少、出向頻度の増加が見られ、モノレール開通による国際通り離れと、それに伴う新都心への集中が見受けられた。また、那覇都心部の消費者が、生鮮食品、一般食品、家電製品、日用品、身の回り品、外出着、普段着等、購買するものによって、購買頻度、購買額、購買場所、購買時間等をどのように使い分けているかが明らかになった。