著者
田村 国三郎 杉山 登 関 誠夫 田矢 一夫 山田 和俊
出版者
社団法人 日本化学会
雑誌
日本化學雜誌 (ISSN:03695387)
巻号頁・発行日
vol.80, no.6, pp.662-664, 1959

6-アミノサリチル酸のアンモニウム塩のアセトン溶液を室温に放置すると,6-アミノサリチル酸のアンモニウム塩とアセトンとから1分子の水が脱離して縮合した縮合生成物C10H14O3N2(I)が得られる。Iは塩酸塩C10H14O3N2・2HCI(II)を与える。Iの希硫酸溶液を熱すると分解して炭酸ガス,硫酸アンモニウム,アセトンおよびメタアミノフェノールを生ずる。IIは酢酸ナトリウム.塩化ベンゾィルによりIのモノベンゾィル誘導体C17H18O5N2(III)を与える。Iをピリジン・塩化ベンゾィルによりベンゾィル化すると・トリベンゾィル誘導体の無水物C31H24O5N2(IV)が得られる。IにSchotten・Baumann法により塩化ベンゾィルを反応させると・ベンズアミドとC34H32O9N2の組成の物質(VIII)を生ずる。これらの物質はまたIVにアルカリを作用させても得られた.