著者
斎藤 夏来 田淵 光
出版者
岡山大学大学院教育学研究科
雑誌
研究集録 (ISSN:18832423)
巻号頁・発行日
no.157, pp.21-27, 2014

備前一宮とされる吉備津宮に関連する「備前国一宮社法」「備前国総社家社僧中神前御祈念之事等注文」「備前一宮御神事絵巻」は、室町時代の年紀を有し、中世史料と考えられてきた。しかし、人名、地名、および「国主」という用語に即して関連史料を探索してみると、近世初期に成立した史料と考えられる。それでも史料の作成者が、康永や文明など中世の年号を付したのは、中世松田氏が近世池田氏の前身だという近世初期の歴史認識の現れと考察した。