著者
田添 歳樹 西村 幸男
出版者
日本脊髄外科学会
雑誌
脊髄外科 (ISSN:09146024)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.236-241, 2017 (Released:2018-01-06)
参考文献数
24

脊髄の神経膨大を電気刺激や磁気刺激によって活動させると, 複数筋群の協調的活動による把持や歩行などの日常動作にみられるような機能的運動が誘発できる. 近年では, これを利用して身体麻痺のある者の脊髄に機能的刺激を施し, 麻痺した身体の随意運動機能を再建する試みが行われている. 本稿では, われわれの研究で開発した人工神経接続と呼ばれる神経細胞 (ニューロン) の働きをするコンピューターを用いた閉回路システムによる脊髄刺激の研究を紹介し, 身体麻痺のある者が自身の意思で脊髄刺激を制御することで随意運動機能を再建することを可能にした成果について報告する.