- 著者
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佐野 嘉拓
田畑 昌祥
浦木 康光
篠原 邦夫
岸本 崇生
久保 智史
- 出版者
- 北海道大学
- 雑誌
- 地域連携推進研究費
- 巻号頁・発行日
- 1999
シラカンバは寒冷地に大量に存在する早生広葉樹であるが、有効利用されずに放置されている。北海道には他にも、多くの除・間伐材、わら類などの農業廃棄物が存在する。これら未利用資源を有効利用できるバイオマス変換産業を北海道に創出するための基礎的・応用的研究を行った。更に、シラカンバ外樹皮に特異的に存在するベチュリンを生分解性ポリマー、界面活性剤、生理活性物質など高度な用途に利用する技術の確立を計った。シラカンバ木材、農業廃棄物などをバイオマス変換産業の原料に利用するために、主要成分であるセルロース、リグニンとヘミセルロースの無公害・省エネルギー・省資源型簡易成分分離技術(常圧酢酸法とHBS成分分離法)を新たに開発した。50%を占めるセルロースは製紙、糖化・発酵によるバイオケミカルス、機能性セルロース誘導体など広範な用途に利用できることを明らかにした。ヘミセルロースとリグニンもほぼ定量的に単離され、ヘミセルロースはバイオケミカルス、食料添加物、医薬品、リグニンはクリーンで高熱量の燃料シックレス接着剤、環境浄化資材など高度な用途に使用できた。ベチュリンを簡易に単離・精製し、生分解性プラスチック、医薬品、天然界面活性剤などに利用する技術を確立した。これらの結果は北海道にベチュリン(シラカンバ外樹皮成分)、低質木材、農業廃棄物を有効利用したバイオマス変換産業を創設できることを示唆した。