著者
四方田 千佳子 田頭 洋子 勝峰 万里 岩木 和夫 松田 りえ子 林 譲
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.225-231, 2000-04-05
被引用文献数
4 4 3

クロマトグラムをディジタルで記録し解析する場合, データ取り込み間隔は長すぎても短すぎても, それぞれ一長一短がある. 本研究では, HPLCとイオンクロマトグラフにおいてA/D変換器のデータ取り込み間隔を変化させた場合の, 測定精度の変化を調べた. 測定精度(測定値のRSD)はFUMI理論に基づいて, 繰り返し測定なしに, ピークの形とノイズの確率論的性質から予測した. ピークの形を正確に観測するためには, データ取り込み間隔はピーク領域(ピークの端から端まで)で最低約30データポイントが必要であることが分かった. クロマトグラムを保存するメモリー容量と測定精度を考慮すると, ピーク領域のデータポイントは30から50くらいになるようにデータ取り込み間隔を設定することが適切であると結論された.