- 著者
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甲斐 日奈子
權 偕珍
- 出版者
- 一般社団法人 アジアヒューマンサービス学会
- 雑誌
- Journal of Inclusive Education
- 巻号頁・発行日
- vol.10, pp.53-59, 2021
障害のある子どもが十分に教育を受けられるために、教育現場において障害を理由とする差別の禁止、合理的配慮の提供が求められている。都築・小田・青柳・岩田・相羽・吉田(2015)は、学級に在籍する特別なニーズを必要とする子どもへの適切な合理的配慮や指導はすべての教員が身につけるべき事項であり、教員養成段階で習得しておくことが望ましいと報告している。しかし、教員を対象とする合理的配慮に関する意識調査の研究は行われているが、将来、教員を志望する学生を対象とした合理的配慮に関する意識調査は見当たらない。そこで、本研究では、教員養成段階での合理的配慮に対する意識の現状を明らかにするため、A大学、B大学の教育学部に在籍する学生を対象とし、質問紙調査を実施した。その結果、全体的に合理的配慮に対する意識が高いことが明らかになったが、公平性に関する質問項目において合理的配慮における認識の違いが見られた。今後、合理的配慮における公平性の概念について深く理解していくことが望ましいと考えられる。