著者
神谷 貴広 町田 武美
出版者
農業情報利用研究会
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.263-271, 2002 (Released:2011-03-05)

フィールド作業時の意思決定支援や適性作業の確認、そしてトレーサビリティーのためには、正確な農作業の記録、および記帳負担の軽減が必要である。そこで、GPSで得られる位置情報を基本データとすることで、正確な農作業の内容を自動的に導き出すシステムが有効である。本研究はGPSデータから作業内容を推論し、自動記録するためのシステムを検討した。自動記録は、GPSで求めた作業位置および時間から、データベース(圃場情報、作業情報、機械情報、肥料・農薬情報、作物情報)を参照し、ルールベース型推論およびファジィ推論を経て作業内容を推論する。また、作業軌跡から、圃場面積、作業能率、圃場作業効率等のデータ収集も可能である。更にフィールド外データも記録可能なため、圃場外の作業について記録分析が可能である。本研究では、複数の作業候補から実施作業を同定するために、GPSから得られる位置、作業軌跡、および速度をデータにして、ファジィ推論するアルゴリズムを開発し作業同定の有効性を確認した。