- 著者
-
佐藤 貴子
町田 隆一
大塚 功
原 寛美
- 出版者
- 社団法人 日本リハビリテーション医学会
- 雑誌
- リハビリテーション医学 (ISSN:0034351X)
- 巻号頁・発行日
- vol.43, no.9, pp.620-624, 2006 (Released:2006-10-26)
- 参考文献数
- 12
急性期脳卒中リハビリテーションでのラクナ梗塞の治療成績について調査した.対象は2004 年1 月から2005 年5 月までに当院へ入院し,リハビリテーション科へ入院あるいは経過で転科し,急性期リハビリテーションを実施した急性期ラクナ梗塞患者51例で,電子カルテより後方視的に調査した.その結果,患者全体の平均在院日数は31.9±15.6日であった.入院時のmotor FIM平均は41.0±18.4 点で退院時のmotor FIMの平均は68.7±19.9 点,motor FIM gainの平均は,27.7±15.3 点で,motor FIM gain/dayは1.3±0.9であった.ADLは,入院時は82%がmodified Rankin Scale(mRS)4以上の症例であったが,退院時はmRS3以下86%の歩行獲得率であった.退院時の転帰は51 例中43 例(84%)が自宅退院,残り8 例が回復期リハ病棟へ転院という結果であった.今回の調査から,ラクナ梗塞では早期にリハビリを処方し離床開始を実施することで約1 カ月の入院期間で歩行獲得および自宅復帰までが十分可能であると推察された.