著者
疋田 敏之
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.125-128, 2012 (Released:2014-12-25)
参考文献数
16
被引用文献数
1

小児周期性症候群は国際頭痛分類第2版で片頭痛に分類されている. その中に周期性嘔吐症 (CV), 腹部片頭痛 (AM), 小児良性発作性めまい (BPV) が含まれる. いずれの疾患も診断の決め手となる検査はなく, 臨床経過と発作の特徴および器質的疾患の否定後に診断される. CVの頻度は白人で2%との報告があり, 国内の報告も多い. 海外の報告でAMはありふれた疾患とされ, AMの有病率は1~4%との報告がある. BPVは海外の報告によると学童での有病率は2.6%である. しかし, AMもBPVも国内での報告は少ない. もし, 概念が浸透していないために診断されていないのであれば, 適切に診療される例が増えることを願う.