- 著者
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登石 健三
見城 敏子
- 出版者
- 一般社団法人 色材協会
- 雑誌
- 色材協会誌 (ISSN:0010180X)
- 巻号頁・発行日
- vol.39, no.8, pp.414-416, 1966
地の粉にうるし液を混合し基材上に塗布したところ, 数日間固化が起こらなかった。用いた地の粉はセメント工場の粉砕機で細粉されたものであり, これを水に分散しpHを測定すると明らかにアルカリ性を示した。そこでセメント中のアルカリ性要素をCaOと考え地の粉中のCaOを定量すると共にCaOの共存量とうるし液の固化との関係を検討し, 地の粉中に0.0065%のCaOが存在すると地の粉のみの場合と違ってツヤが失われるが固化速度への顕著な影響は0・312%以上で現われかつ2.5%以上では2.5力月後に固化するが下地うるしとしての性能が失われることがわかった。またうるしの固化に関して水分が絶対に必要であり, MnO<SUB>2</SUB>, Fe<SUB>2</SUB>O<SUB>3</SUB>の添加は下地うるしの固化にあまり影響がないことがわかった。