著者
白水 完治 土田 貴志 阿武 雅夫
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.46, no.7, pp.561-564, 1993
被引用文献数
1

1991年に著者らが採取したシダの根茎を貫衆として用い, 調製した処方が肝蛭に対して駆除効果のあることを報告した. その後, 採取したシダは植生・形態・成分分析からイヌガンソクと同定された. 今回, 新たに採取したイヌガンソクを用いて生薬処方を作り肝蛭自然感染牛の駆虫試験を実施した. 試験には投与区18頭, 対照区7頭, 合計25頭の自然感染牛を用いた. 投与区の10頭は投与1週間後にEPG値が0になり, 8週間持続した. また, 4頭は投与1週間後にEPG値が減少し, 2週間後より0が持続した. さらに別の4頭は投与後も虫卵が検出される場合があったが, 統計学的には有意の減少を認めた. 対照区7頭のEPG値は試験期間中まちまちに変動して一定の傾向はみられなかった.