著者
白石 京子
出版者
文教大学
雑誌
生活科学研究 = Bulletin of Living Science (ISSN:02852454)
巻号頁・発行日
no.39, pp.93-100, 2017-03-30

本研究は障害児の保護者に対し、ストレスと養育態度、子どもの行動に対する認知、ソーシャルサポートの関連を、定型発達児の保護者と比較調査し、その結果を踏まえた効果的な支援方法を検討することを目的とする。保護者(母親)103名に対する質問紙調査に対する相関分析の結果、ストレスと有意な負の相関が認められた要因は、障害児の保護者については応答的・統制的な養育態度とソーシャルサポートであり、定型発達児の保護者については統制的な養育態度であった。また回帰分析の結果、ストレスに有意な負の影響力を持っていたのは、障害児の保護者についてはソーシャルサポートであり、定型発達児の保護者については統制的な養育態度であった。これらの結果により、応答的な養育態度や適切なソーシャルサポートが獲得できるよう支援することが、障害児の保護者のストレス緩和に有効であることが示唆された。