著者
杉山 匡
出版者
文教大学
雑誌
生活科学研究 = Bulletin of Living Science (ISSN:02852454)
巻号頁・発行日
no.37, pp.77-87, 2015-03-01

本研究は、大学生が学生生活を過ごすキャンパスの立地環境の違いが、彼らの浮気に対する態度にどのように影響しているのかについて検討することを目的とした。浮気に対する態度尺度を作成し、文教大学越谷キャンパスに通学する学生と東京都心にキャンパスを構える大学に通学する学生を対象とした調査を実施した。その結果、両大学の学生は、いずれも浮気に対してやや否定的な態度であることが示された。しかし、文教大学より都心の大学の学生の方が浮気に対する否定的態度が弱く、東京都心の大学の男子学生においてその傾向が顕著であることが示された。キャンパス立地環境が娯楽の多様性や生活スタイルなどの違いを生じさせ、それが浮気に対する態度に影響を及ぼしている可能性が示唆された。多様な価値観と接触する機会が郊外と比べて相対的に多い都市部の環境への適応を通じて、都市部のキャンパスに通学する学生は、様々な価値観に対する社会的寛容性を獲得しているものと推測された。
著者
中村 博一
出版者
文教大学
雑誌
生活科学研究 = Bulletin of Living Science (ISSN:02852454)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.33-42, 2018-03-30

For many Japanese, it seems to be difficult to assume that growing success of Nollywood would be in relation with some “SFX” techniques for mysterious teleport and magical transforming, which resonate so much with the audiences in local contexts. This article examines recent 31 Yoruba Nollywood movies which were selected randomly from the online guide of the AM Yoruba. 22 contents out of the 31 include mysterious or magical scenes and 6 are peculiarly involved with “money rituals”. 9 are without any magical setting and more than half of them focus on domestic problems which are familiar with Japanese audiences. But many contents with magical scenes, too, raise issues for family relationships. The article explores common features and differences between the two kinds of contents and suggests that those movies which contain mysterious settings would dramatize ordinary issues with very localized idioms although they reflect harsh situation or crisis of everyday life.
著者
松本 浩之 柳生 和男
出版者
文教大学
雑誌
生活科学研究 = Bulletin of Living Science (ISSN:02852454)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.29-41, 2014-03-01

平成25年9月に松本と柳生は、ドイツの首都ベルリン特別市の北東部にあるリヒテンベルク行政区の基礎学校 (Grundschule) と上級学校 (Oberschule) を訪問し、日本の学校のいじめにあたるモビングを予防する教育プログラムの実践を見る機会を得た。モビング予防のための教育プログラムとその実践状況を報告し、日本の学校におけるいじめのとらえ方とその対策との比較を行い、リヒテンベルク市におけるプログラムの日本の学校への導入の可能性について考察した。
著者
西川 ハンナ
出版者
文教大学
雑誌
生活科学研究 = Bulletin of Living Science (ISSN:02852454)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.147-152, 2018-03-30

社会問題の解消に経済的アプローチや非専門家の支援が功をなしている。その手法の中にソーシャルワークの「社会開発」への援用をめざして、新たな仕組みで社会的な価値を創出した高齢者ダイニング、コミュニティカフェ、環境保全の3 事業の代表者へインタビュー調査を実施した。結果は、3 事業は社会問題の解消等を目的に、開発的ソーシャルワークでいう政策的実践、組織化など「マクロ実践」を、雇用環境・経済政策に則り事業に社会的価値を創出して資金調達や専門的助言を得て事業展開を行っていた。これらの事業は、社会問題の解消にあたり不足する人的・物的・経済的な側面の補完として「社会開発」を行っていた。◆「社会開発」の資源化や連携には目的の合致、資源の適合性、方針の合致が必要であり、これは社会福祉法人の新たな社会事業やソーシャルワーカーの連携にも必要な要件といえる。
著者
中村 博一
出版者
文教大学
雑誌
生活科学研究 = Bulletin of Living Science (ISSN:02852454)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.33-42, 2018-03-30

For many Japanese, it seems to be difficult to assume that growing success of Nollywood would be in relation with some "SFX" techniques for mysterious teleport and magical transforming, which resonate so much with the audiences in local contexts. This article examines recent 31 Yoruba Nollywood movies which were selected randomly from the online guide of the AM Yoruba. 22 contents out of the 31 include mysterious or magical scenes and 6 are peculiarly involved with "money rituals". 9 are without any magical setting and more than half of them focus on domestic problems which are familiar with Japanese audiences. But many contents with magical scenes, too, raise issues for family relationships. The article explores common features and differences between the two kinds of contents and suggests that those movies which contain mysterious settings would dramatize ordinary issues with very localized idioms although they reflect harsh situation or crisis of everyday life.
著者
中村 博一
出版者
文教大学
雑誌
生活科学研究 = Bulletin of Living Science (ISSN:02852454)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.119-127, 2014-03-01

2013年に実施したナイジェリア11州とニジェール南部での広域調査から、特に豆腐名称とその分布に注目し考察を行った。従来の 「アワラ」 「クワイダクワイ」 に加え 「ワラ」 「ガーラ」 「ベースケ」 の計5種類の語形を確認できるが日本で報道された名称 「トーフ」 は見いだせない。このうち 「ワラ」 「ベースケ」 とフラニ・チーズ名称 「アワラ」 を新たに確認できたことで豆腐名称 「アワラ」 の語源をめぐる考え方を変更せざるをえなくなった。フラニ・チーズ 「ワラ」 と同じCalotropis proceraの樹液を凝固剤に利用したことが豆腐 「アワラ」 に影響したと考えてきたが、むしろ食品自体の類似性が関係しており発生もナイジャ州であることが推測される。
著者
坪井順一
出版者
文教大学
雑誌
生活科学研究 = Bulletin of Living Science (ISSN:02852454)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.59-66, 1999-03-01
著者
浅野 正
出版者
文教大学
雑誌
生活科学研究 = Bulletin of Living Science (ISSN:02852454)
巻号頁・発行日
no.36, pp.195-206, 2014-03-01

犯罪被害者を保護する法制度の整備が着実に進む中、被害者の精神的健康や望ましい被害者支援の在り方に関心が向けられている。犯罪被害者は自然災害や交通事故などと同様に、外傷後ストレス障害を引き起こしやすいことが知られている。外傷後ストレス障害と関連する危険因子のなかでも、犯罪被害支援の実践に役立つと思われる。被害経験を周囲に伝えようとする被害者の態度と、周囲の否定的・肯定的反応を取り上げた実証的な研究を本稿では詳しく紹介する。犯罪被害支援の実践現場、その中でも特に本稿では、被害者参加制度や証人の保護制度などが導入されている裁判所を取り上げる。被害者の精神的健康に関する調査や研究から引き出される知見を踏まえながら、裁判所で生じやすい二次被害を克服し、被害者の精神的健康の促進を図る被害者支援の在り方を検討する。
著者
井上 清子
出版者
文教大学
雑誌
生活科学研究 = Bulletin of Living Science (ISSN:02852454)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.137-143, 2017-03-30

大学までの自傷行為の現状を明らかにする目的で、大学生419人(女性341人、男性78人)に質問紙調査を行った。自傷行為の経験のある大学生は、235人(56%)で、半数以上の者に自傷行為の経験があった。そのうち、女性は182人(53.0%)、男性は52人(66.7%)で、男性の方が有意に自傷経験のある者が多かった。自傷行為で多かったものは、抜毛・爪かみ・掻きむしりで、4~5人に一人の学生が経験していた。爪かみ・打ち付け・焼く自傷行為は男性の方が有意に多かった。爪かみ・掻きむしりは、小学生・幼児期が多く、抜毛・切る・焼く・打ち付ける・叩くは、中学生始まりが多く大学生まで続いているものも少なくなかった。自傷行為経験者のうち他者に相談した者は21人で、自傷をしている者の一割以下であった。そのうち女性が20人で男性は1人のみであった。
著者
土屋 久
出版者
文教大学
雑誌
生活科学研究 = Bulletin of Living Science (ISSN:02852454)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.281-285, 2017-03-30

本稿は、柳田國男「青ヶ島還住記」を読み込むことで、この作品に込められた、柳田の主たる想いを検討したものである。それと同時に、その想いは青ヶ島の今日的な課題に届くのか、こうした問いにも一定の考察を試みた。その結果、先の作品の主たる想いは、島の少年達に誇りをもたせたいとのことであり、彼のこの想いは、今日、地域おこしに、ますます重要な意味をもってきている点を指摘した。
著者
米津 光治
出版者
文教大学
雑誌
生活科学研究 = Bulletin of Living Science (ISSN:02852454)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.173-182, 2017-03-30

日本の学校教育における体育は、学制発布以降、その時代の目指す社会的要請を踏まえて、果たすべき役割を担ってきた。日本の学校体育を歴史的に見てみれば、明治以降長い間「体操」を中心に考えられ、人間の身体と運動との関係が重要な問題であった。戦後は、身体の教育から全人教育へとねらいが拡大され、身体の問題だけでなく、人間の教育のために体育が文化としての機能を果たす重要性が議論されてきた。学習指導要領では、生涯にわたって運動を実践する態度や能力の育成が期待されているが、子どもを取り巻く社会環境は複雑化し、健康増進・体力の向上、運動需要などの問題を生涯の生活との関連で考えることが求められている。本稿では、これからの学校体育のあり方や課題について、日本における学校体育の歴史的経緯と現行学習指導要領の検討経過及び体育指導の現状を「運動の教育」を基本的な考え方にしながら検討した。