著者
野中 潔 目黒 貴史 石田 征男 山田 義智
出版者
一般社団法人 セメント協会
雑誌
セメント・コンクリート論文集 (ISSN:09163182)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.258-264, 2021

<p>本研究では高流動・中流動コンクリートについて、従来目視で行われる材料分離の判定をコンクリートのスランプフローの挙動と関連付け、レオロジー定数である塑性粘度、降伏値および観察状況を説明変数とし、ロジスティック回帰分析により予測する取組みを行った。p値や調整済みオッズ比の指標から全ての説明変数が材料分離判定に影響していると統計的に判定され、得られた回帰モデルで実験データの最大90.7%において材料分離の有無を正しく予測できた。また、目的に応じてより安全側の判定を行うことも可能であった。本研究の結果においては、一般的に中流動コンクリートに分類されるスランプフロー径550mm以下のコンクリートでは材料分離はほぼ起こらないと予測された。</p>