著者
矢城 陽一朗 直島 好伸
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.72-73, 2015

我々は、有機合成で多用されている酵素リパーゼの鏡像体選択性の機構解明において、タンパク質とリガンド分子間の相互作用を詳細に解析できるフラグメント分子軌道(Fragment Molecular Orbital: FMO)法を一つの研究手法として使用している。今回、3種の酵素リパーゼ、Burkholderia cepacia lipase (BCL)、Candida antarctica lipase typeB (CALB)、Candida antarctica lipase typeA (CALA)、と有機化合物の複合体についてFMO2相互作用計算を行ったところ、BCLでは HIS286が、CALB ではTHR40が、そしてCALAにおいてはAPS95が、それぞれのリパーゼの基質の鏡像体認識に深く関わっているアミノ酸残基であると推定できる結果を得た。これに加え、FMO法をインシリコ創薬の実用的な研究手法として発展させるために2014年11月に設立された「FMO創薬コンソーシアム」の活動と、そこで我々が実行している標的タンパク質レニンと化合物の複合体に関するスーパーコンピュータ「京」による計算を紹介する。
著者
矢城 陽一朗 直島 好伸
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第38回ケモインフォマティクス討論会 東京
巻号頁・発行日
pp.72-73, 2015 (Released:2015-10-01)
参考文献数
6

我々は、有機合成で多用されている酵素リパーゼの鏡像体選択性の機構解明において、タンパク質とリガンド分子間の相互作用を詳細に解析できるフラグメント分子軌道(Fragment Molecular Orbital: FMO)法を一つの研究手法として使用している。今回、3種の酵素リパーゼ、Burkholderia cepacia lipase (BCL)、Candida antarctica lipase typeB (CALB)、Candida antarctica lipase typeA (CALA)、と有機化合物の複合体についてFMO2相互作用計算を行ったところ、BCLでは HIS286が、CALB ではTHR40が、そしてCALAにおいてはAPS95が、それぞれのリパーゼの基質の鏡像体認識に深く関わっているアミノ酸残基であると推定できる結果を得た。これに加え、FMO法をインシリコ創薬の実用的な研究手法として発展させるために2014年11月に設立された「FMO創薬コンソーシアム」の活動と、そこで我々が実行している標的タンパク質レニンと化合物の複合体に関するスーパーコンピュータ「京」による計算を紹介する。