著者
萩原 綾子 権守 礼美 相原 慎
出版者
一般社団法人日本小児看護学会
雑誌
日本小児看護学会誌 (ISSN:13449923)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.33-39, 2009-11-20

本研究は、先天性心疾患(以下、CHD)によりフォンタン手術を受ける子どもの家族の満足度について過去3年に手術を受けた40名の家族を対象にし、2006年10月〜2007年2月までアンケート調査を実施した。回収率は70%で、早期退院と医師の説明やケアに関する満足度は8点以上(10点満点)であった。看護師の説明やケアに対する満足度は、早期退院、医師の説明やケアの満足度と比べると低い傾向にあり7点が6項目あった。特に入院中の看護師への声のかけやすさに関しては、4.9±3.1点であり低かった。質問項目の自由記述について意味内容ごとに項目を抜き出し、内容を分析した。満足度に影響を与える因子として、二つのカテゴリーが抽出され、それぞれに【説明】【専門的なケア】と命名した。家族は、看護師に手術や治療の看護ケアだけでなく、これを踏まえた食事や睡眠といった療養に関する看護ケアを期待しており、これを実践することが質の高い看護ケアにつながると考えた。