- 著者
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相馬 知奈
- 出版者
- 日本文学協会
- 雑誌
- 日本文学 (ISSN:03869903)
- 巻号頁・発行日
- vol.58, no.2, pp.15-25, 2009-02-10 (Released:2017-08-01)
平安朝物語に登場する「放出」は儀式が行われる際に臨時に設えられる空間であると考えられてきたが、未だ不明瞭な点が多い。本稿は儀式の場である「ニワ」との境界という視点から「放出」を論じた。「放出」は寝殿造から書院造へと建物構造の変化によって、邸内で場を変えているが、「ニワ」に隣接した境界空間としての側面を強く持っている。「ニワ」と隣接する「放出」は儀式性という「ニワ」の特性を強く反映していることを明らかにした。