著者
眞田 淳平 木村 友彦 金藤 秀明
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.105, no.4, pp.690-697, 2016-04-10 (Released:2017-04-10)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

高血糖緊急症は1型糖尿病患者に限らず,全ての糖尿病患者で発症する可能性があり,初期治療を誤ると生命に関わる.糖尿病性ケトアシドーシス,高血糖高浸透圧症候群ともにインスリン欠乏(作用不足)と脱水が病態の根幹であり,治療の基本はインスリン投与と脱水補正である.発症予防には患者教育も重要な因子である.劇症1型糖尿病は2000年に本邦で確立された1型糖尿病の新たなサブタイプであり,成因には遺伝素因が関与し,ウイルス感染を契機に免疫応答が惹起され,β細胞が破壊されるという仮説が立てられている.