著者
岡野 秀鑑 上馬塲 和夫 眞鍋 雄太 柴田 和宏 霜鳥 良雄
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.73-78, 2015-09-30 (Released:2015-12-25)
参考文献数
6
被引用文献数
1

高齢化社会を迎え,認知症などの脳疾患に対する治療が必要とされている.筋肉の疲労や障害に対して手技マッサージが血行を促進するように,今回我々は浸透度が大きい長波超音波(30 kHz,2 mW/cm2以下)の経頭蓋微弱超音波振動刺激装置を用いて,健常者の頭蓋前頭部あるいは後頭部から照射することで,脳の血流がどのように変化するかを検討した. 方法は,本装置を前頭部あるいは後頭部に装着して,振動させる前後での脳内血流変化を測定した.すなわち,健常成人において,まず前頭部のみの照射でXeガスX線CT画像による測定を行い,次に,前頭部と後頭部の照射によるSPECT画像の変化を測定した.その結果,本装置の発する数ミリワットの微弱超音波振動により,脳血流量が増加することが示された.