著者
真鍋 大覚
出版者
公益社団法人日本船舶海洋工学会
雑誌
西部造船会会報 (ISSN:0389911X)
巻号頁・発行日
no.33, pp.139-157, 1967-02-28

台風中心の海洋波生成係数および吹送率を沿岸観測資料を基礎にしてStokes波理論を展開して推定した。眼縁ではとくに岨度が高く,吹送流を大きく,このため船舶は共振が不可能なほど速く流されるとともに,数分以上の長周期波動のため定常風圧傾斜が長く持続する。台風が移動するとき周囲の暴風域に高い波を随伴しているがその分布は物理的には熱伝導と同種の現象であつて,その特性は冬季寒冷前線の波況分布から解析される。