著者
矢島 りさ 曽地 雄一郎 西 清志
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.167-172, 2015-03-20 (Released:2015-04-20)
参考文献数
8

平成24年9月から25年5月に牛ヨーネ病と診断した黒毛和種妊娠牛11頭について,感染程度と胎子感染の関連性を検討した.母牛は病理組織学的検査による腸管病変の程度から重度2頭・中等度4頭・軽度5頭に分類した.細菌学的検査では母牛全頭でヨーネ菌DNAを検出(4.05E-07~1.24E+06pg/2.5μl),10頭でヨーネ菌が分離された.胎子では11頭中7頭(胎齢60~250日)で菌DNAを検出(1.24E-04~7.00E-03pg/2.5μl),うち1頭(胎齢250日)では菌分離も陽性となった.母牛の病態が重度なほど胎子の陽性率は上昇するが,胎子の臓器におけるDNA量は同等レベルであった.胎子への感染は最短で胎齢60日であり,妊娠初期から感染する可能性が示された.