著者
矢島 忠夫
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
no.105, pp.47-63, 2011-03

本考は、『正法眼蔵』を精読する。とりわけ、論理語に留意し、道元がどのように思考していたのか、その流れが理解できるように表現することを目指す。修正可能な素案を提示することが課題である。
著者
矢島 忠夫 ヤジマ タダオ Yajima Tadao
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
no.85, pp.47-55, 2001-03-30

有ることは,自己自身と同一することである。成ることは,自己自身と差異することである。成ることは,別に成ること,成ることの成ることとして,それ自身において,自己自身の反復,自己自身の累乗,自己自身の肯定である。成ることは,自己自身で後れることとして,それ自身において,自己に成ること,自己を強めること,自己を超えることである。
著者
矢島 忠夫 ヤジマ タダオ Yajima Tadao
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
no.93, pp.25-36, 2005-03-30

この論文では、漢訳『妙法蓮華経』のサンスクリット原典である『サッダルマ・プンダリ-カ』(Saddhamapupdarika)(『正しい白蓮の教え』)において「ダルマ・スヴァバーヴァ」(dhama-svabh岳va)(dhamaの本質)と表現されていることがらに関して、それを、「諸仏が教える修行の法の本質」ではなく「存在するものたちの真実の在り方」と理解する解釈が見られるが、それは、漢訳『妙法蓮華経』において「諸法実相」と表現されることがら関する独自の解釈(おそらくは「天台教学」的と言われる解釈)があらかじめその外部に前提され、そのために、この解釈がひるがえってサンスクリット原文の`dhama-svabhava'の解釈にまでひそかに反響していることによるのではないか、という推定が提示される。