著者
泉 完 清水 秀成 東 信行 丸居 篤 矢田谷 健一
出版者
公益社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業農村工学会論文集 (ISSN:18822789)
巻号頁・発行日
vol.86, no.1, pp.II_1-II_7, 2018 (Released:2018-01-12)
参考文献数
31

水田魚道を含む生態系に配慮した水路の設計に資するメダカの遊泳能力を明らかにすることを目的として,ミナミメダカの突進速度に関する実験を屋外で実施した.その結果,体長2cm台のメダカについて,1)突進遊泳速度は33cm・s-1(管内代表流速17cm・s-1)~58cm・s-1(管内代表流速32cm・s-1)で,平均体長の14~24倍・s-1に相当した.2)メダカは突進遊泳を繰り返して前進し,突進遊泳区間の瞬間遊泳速度の平均値は,突進遊泳速度の1.03倍でほぼ同じであることがわかった.また,瞬間遊泳速度で約5cmずつ前進することがわかった.3)管内代表流速が20~30cm・s-1台の流速条件では,65%以上の個体が30cmまでの距離を遊泳することがわかった.