著者
矢野 淳滋
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.229-232, 1987

粘土から発生するTnを抽出して自作の箔検電器で線量を測定し,半減期を求めることができる,実験は10分間もあれば終るので検電器を投影して箔の動きを読みとらせれば高校の演示実験として最適である.また粘土から抽出したRnは生徒のクラブ活動や家庭実験に適している,核エネルギーが身のまわりで使われている現代の社会人として,わかりやすい器具で放射線を検出した経験を持つことは是非必要なことであると思う.
著者
矢野 淳滋
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.312-315, 1989
被引用文献数
2

GM計数管のガスを大気圧の乾燥空気とし,針状陽極を使用して先端の角度と曲率を適当にすることにより,高校生にも容易に自作できるGM計数管を作ることが出来た。このGM管は管内外の圧力差が無いため,極めて薄い窓が使用でき,管外からのα線も計数することが出来る。またこのGM管の感度を良くするため口径を大きくすると平坦なプラトーが無くなるので,GM管自身を定電圧コロナ放電管として使用し,電源コンデンサーの電圧を調整してから測定する方法も開発した。
著者
矢野 淳滋
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.61-64, 1976-05-20 (Released:2017-02-10)

羽根車がガラス棒上を転がって動く型の羽根車入りクルックス管の放電中に,それを傾けることにより羽根が回らないように釣り合わせる.このときの管の傾きから羽根が受けている力の大きさを計算したところ,電子の衝撃力として計算した値の40〜300倍も大きいことがわかった.一力で羽根車がうける力は消費電力によってほぼ決まることがわかり,軸が鉛直になったクルックス管を用いて電子線による回転力と電球の光による回転力をつり合わせ,そのときの光の仕事率が電子線の仕事率に近いことを確かめることができた.これは羽根車の回転力の大部分がラジオメーター効果によることを示すが,消費電力と回転力の関係の検討からラジオメター効果の他に静電気力のようなものが働いているかもしれないという結論になった.
著者
矢野 淳滋
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.439-441, 1993
被引用文献数
1

平賀源内が作った摩擦発電機「エレキテル」はよほど乾燥していなければ発電しない。そこで瓶と摩擦材料を高絶縁で吸湿性のない新素材に置き換え,又は新素材で支え,構造も合理的に改善して製作してみたところ,特に高湿度でなければ,手回しで10kV以上の電圧が得られ,教材用として十分使用できることが分かった。更にこのエレキテルで発生した電圧を測定する静電電圧計や,その電力で運転する静電モーターも作った。
著者
矢野 淳滋
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.61-64, 1976

羽根車がガラス棒上を転がって動く型の羽根車入りクルックス管の放電中に,それを傾けることにより羽根が回らないように釣り合わせる.このときの管の傾きから羽根が受けている力の大きさを計算したところ,電子の衝撃力として計算した値の40〜300倍も大きいことがわかった.一力で羽根車がうける力は消費電力によってほぼ決まることがわかり,軸が鉛直になったクルックス管を用いて電子線による回転力と電球の光による回転力をつり合わせ,そのときの光の仕事率が電子線の仕事率に近いことを確かめることができた.これは羽根車の回転力の大部分がラジオメーター効果によることを示すが,消費電力と回転力の関係の検討からラジオメター効果の他に静電気力のようなものが働いているかもしれないという結論になった.