著者
石井 立人
出版者
社団法人日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.363-371, 1994-04-01
被引用文献数
5

ヒトの頭部の側方傾斜に伴う,下顎位の偏位や咀咽筋の筋電図の応答についての報告は多数ある.しかし筋電図の反射性の応答については,緊張性頚反射や緊張性迷路反射が実験的な確証のないまま説明されている.本実験では,側方傾斜に伴って傾斜側外側翼突筋下頭と対側側頭筋後部の活動が冗進するパターンが認められた.そしてこの筋活動パターンが下顎に限局される重力に対応する下顎位の水平的な位置調節としての制御機能としての役割を果たしていることを明らかにした.特に側方体位をとらせて,頚部のみ水平面に対して垂直となるような姿勢,すなわち頚部屈曲位にて,頚部を屈曲させながらも,千顎の側方方向への重力の影響を取り除いた姿勢条件を用いたことがおもしろい.