著者
石原 享一
出版者
北海商科大学学術研究会
雑誌
北海商科大学論集 (ISSN:21863296)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.23-58, 2017-02

本稿の目的は、新疆ウイグル自治区の経済発展の要因とその構造について検討することにある。改革開放政策の下で新疆経済は35 年以上にわたり、年率10%前後の高度成長を続けてきた。政府の財政支援と経済政策、市場競争と資源開発、漢族とウイグル族その他の少数民族との共生、という3 つの要因はそれぞれの独自の原理に則って新疆の経済発展を促してきた。他方では、これら3 つの原理はそれぞれの内部に矛盾をかかえており、また互いに両立しがたいところもある。