著者
石原 和之
出版者
日本皮膚悪性腫瘍学会
雑誌
Skin Cancer (ISSN:09153535)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.209-216, 2008-03-25 (Released:2010-08-05)
参考文献数
13
被引用文献数
10 5

本邦における皮膚悪性腫瘍の1987年から2001年までの年別全国発生数と基底細胞癌, 有棘細胞癌, 悪性黒色腫ならびに日光角化症などの疫学的調査と予後の検討を行った。全国調査では皮膚悪性腫瘍は明らかに増加し, その発生数は基底細胞癌が最も多く, 次いで有棘細胞癌, 悪性黒色腫となっている。疫学的調査および予後については悪性黒色腫について詳細に検討し, 年度別, 性別, 病型別, 病期別などの累積生存率をまとめた。
著者
石原 和之 山崎 直也
出版者
日本皮膚悪性腫瘍学会
雑誌
Skin Cancer (ISSN:09153535)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.192-198, 1991-06-25 (Released:2010-08-05)
参考文献数
2

メラノーマの多発皮膚転移の2症例についてIFN-β (フエロン) の腫瘍内投与を試みた。1例はstageIIIで来院し, 原発巣の潰瘍化および所属リンパ節の転移の見られた症例で, 準治療後1年目に皮膚および皮下に多発転移が発生したものである。他臓器に転移の見られないことよりIFN-β単独で長期の腫瘍内投与によりすべての転移巣 (101個) を消失せしめ10年以上再発,転移を認めなかった。かかる症例は稀有といわざるを得ない。2例目は他施設で試験切除を施行し, 若干の期間を経て原発巣の広範切除と所属リンパ節郭清し, 10ヵ月後に同側下肢と所属リンパ節を越えた皮膚転移の多発を見た症例である。化学療法は無効であった。IFN-βの投与によりすべてを消失せしめ得た。副作用に関してはいずれの症例も問題となるものはなかった。