著者
大原 國章
出版者
日本皮膚悪性腫瘍学会
雑誌
Skin Cancer (ISSN:09153535)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.217-230, 2000-12-25 (Released:2010-08-05)

When you try to take persuative and representative pictures of the patients, you must be aware both of the mechanics of the cameras and how to make use of them. Included are, micro (macro) lenses, flash, magnification, focusing, filters, films, depth, view axis, positioning of the patients, framing and the reason of failure. [Skin Cancer (Japan) 2000; 15: 217-230]
著者
藤澤 康弘 藤本 学
出版者
日本皮膚悪性腫瘍学会
雑誌
Skin Cancer (ISSN:09153535)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.189-194, 2015 (Released:2015-02-04)
参考文献数
5
被引用文献数
1 11

2005年から2013年までに日本皮膚悪性腫瘍学会皮膚がん予後統計調査委員会で収集した2978症例の悪性黒色腫症例について解析した。平均追跡期間は32.0ヵ月,平均年齢は63.6歳,性別は男性1392例,女性が1583例であった。TNM分類はTisが17%,病期1が20%,病期2が24%,病期3が22%,病期4が11%,分類不能が7%であった。疾患特異的5年生存率はTisが99%,病期1aが96%,病期1bが92%,病期2aが85%,病期2bが80%,病期2cが61%,病期3aが74%,病期3bが58%,病期3cが39%,病期4が21%であった。再発転移形式で最も多かったのは遠隔転移の51%,次いでリンパ節の29%,In-transit転移の13%,局所再発の7%と続いた。また,再発転移までの期間はその半数が12ヵ月以内に起きていた。また,病期が低いほど再発転移までの期間が長い傾向があった。
著者
大守 誠 寺師 浩人 田原 真也 福本 礼
出版者
日本皮膚悪性腫瘍学会
雑誌
Skin Cancer (ISSN:09153535)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.298-301, 2007-03-15 (Released:2010-08-05)
参考文献数
19
被引用文献数
1 1

80歳, 女性。湯たんぽによる低温熱傷を左下腿に負った。保存的治療にて創治癒をみたものの約1年半後に同部が潰瘍化した。保存的治療に反応せず, 上皮化と潰瘍化を繰り返したために7ヵ月後に潰瘍切除, 植皮術を施行した。病理結果は基底細胞癌であり, 追加切除を行い, 再度植皮術を行って治癒した。術後2年の現在まで再発を認めない。熱傷瘢痕より発生する基底細胞癌で本症例のように比較的経過の短いものは稀であり, 文献的考察を加えて報告した。
著者
村田 洋三 熊野 公子 伴 政雄
出版者
The Japanese Skin Cancer Society
雑誌
Skin Cancer (ISSN:09153535)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.83-87, 1988
被引用文献数
6

下腹部から大腿にびまん性の浸潤性紅斑を示した4例の皮膚悪性腫瘍 (Paget癌2例, エクリン汗器官癌2例) を報告する。その特異な分布形態から, われわれはこの浸潤をパンツ型浸潤と名づけた。原発巣は外陰部ないし大腿で, 浸潤性紅斑は鼠径部に始まり, 臍の高さで明らかな分界線をもって停止する。またパンツ型の浸潤が始まってからは, いずれも2年以内に死亡している。パンツ型の浸潤はリンパの逆流によって生じるものと考えられる。パンツ型の浸潤は, 予後不良の徴候であり, 原発病巣の単なる再発あるいは拡大と誤らないことが重要であると思われた。
著者
野々垣 香織 吉池 高志 竹下 芳裕
出版者
日本皮膚悪性腫瘍学会
雑誌
Skin Cancer (ISSN:09153535)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.285-289, 2017 (Released:2017-03-03)
参考文献数
20
被引用文献数
2 2

69歳,男性。約20年前から腰痛等のため適宜,ときには連日鍼治療を受けていた。約10年前から背中に内出血のような痕があった。半年前から同部に腫瘤を形成し出血がみられ,近医での生検の結果有棘細胞癌と診断,当科を紹介された。初診時背部中央に50×50×7mm大,有茎広基性腫瘤を認めた。表面にはびらん,出血がみられた。切除のうえ,中間層植皮術を行った。腫瘤部基部すなわちL2-L3の正中部ならびに脊柱起立筋外縁に沿って鍼治療痕が無数に存在していた。当該部では苔癬様反応とそれに伴うメラニン顆粒の滴落を認めた。標準鍼治療を超えた回数・深さの打ち込みといった過大な物理刺激だけでなく,2次的な苔癬様反応も発癌に与っているのではないかと考えた。
著者
市橋 正光
出版者
日本皮膚悪性腫瘍学会
雑誌
Skin Cancer (ISSN:09153535)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.38-44, 1992-05-20 (Released:2010-08-05)
参考文献数
39

紫外線発癌研究の現状と問題点を概説した。歴史的にみれば紫外線発癌研究はまず太陽光線曝露と皮膚発癌の関連を明らかにする疫学調査からはじまった。次いで人工光源を動物皮膚に照射し皮膚癌誘発に成功した。1968年には太陽光曝露部皮膚高発癌の色素性乾皮症由来細胞がDNA損傷修復に欠損を持つことが明らかにされ, DNA修復と発癌の関連が注目された。1980年代に入ると, protooncogeneの活性化や突然変異およびsuppressor-oncogeneの欠落が化学発癌物質やイオン化放射線照射で次々と見出され,UVでも同様のデーターが出はじめている。一方, 紫外線照射マウスは同系の紫外線誘発皮膚癌を拒絶できない。従って, UVによりヒト皮膚でも同様, 免疫監視機構の抑制が示唆される。
著者
石原 和之
出版者
日本皮膚悪性腫瘍学会
雑誌
Skin Cancer (ISSN:09153535)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.209-216, 2008-03-25 (Released:2010-08-05)
参考文献数
13
被引用文献数
10 5

本邦における皮膚悪性腫瘍の1987年から2001年までの年別全国発生数と基底細胞癌, 有棘細胞癌, 悪性黒色腫ならびに日光角化症などの疫学的調査と予後の検討を行った。全国調査では皮膚悪性腫瘍は明らかに増加し, その発生数は基底細胞癌が最も多く, 次いで有棘細胞癌, 悪性黒色腫となっている。疫学的調査および予後については悪性黒色腫について詳細に検討し, 年度別, 性別, 病型別, 病期別などの累積生存率をまとめた。
著者
有馬 豪 小林 尚美 内海 俊明 松永 佳世子
出版者
The Japanese Skin Cancer Society
雑誌
Skin Cancer (ISSN:09153535)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.68-74, 2014
被引用文献数
4

近年,手術困難な悪性腫瘍に対する患者のquality of life(QOL)向上という緩和治療目的でMohsの変法が施行されている。しかし,Mohsの変法のデメリットとしてpasteによる疼痛と,正常皮膚へ付着すると潰瘍を形成することがあげられる。2010年より我々はMohs pasteの塗布時間を1時間以内に短縮し,乳癌皮膚浸潤の2症例に対しMohsの変法を施行した。2症例ともに疼痛に耐えることができ患者のQOLを改善できた。また,2012年より亜鉛華デンプン外用療法を乳癌皮膚浸潤の3症例に施行した。3症例ともに疼痛がなく,正常皮膚にも障害を起こすことなく患者のQOLを改善できた。Mohsの変法だけでなく,亜鉛華デンプン外用療法も患者のQOL改善に寄与しうると考えた。
著者
安達 勇
出版者
日本皮膚悪性腫瘍学会
雑誌
Skin Cancer (ISSN:09153535)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.252-260, 2007-03-15 (Released:2010-08-05)
参考文献数
22
被引用文献数
2 1

緩和医療の歴史は宗教を背景にした人類愛から古典的なホスピス, 近代ホスピスそして現代ホスピスへと展開されてきた。現在の緩和医療は, 1) がん患者に対する医療者としての態度 (attitude) を基本に, がんに伴う患者の身体的, 心理社会的苦痛や苦悩に対して医学的知識 (knowledge) と技量 (skill) をもって全人的に対応している。2) がんの診断から治療過程そして終末期いたるまで適応されている。3) 多職種専門家からなるチーム医療で取り組むべきとされている。4) 緩和ケアの対象は緩和ケア病棟内に入院した患者・家族にのみではなく, 一般病棟に入院中のがん治療の患者, 通院治療中の外来患者, さらに在宅療養中の患者, 死別後の遺族となっている。このように緩和ケアは, がん診断, 治療段階から在宅, 終末期に至までより積極的に, 継続して, 総括的に, 幅広く提供されるがん医療の分野として認知されてきている。
著者
藤田 有理香 前川 武雄 レパヴー アンドレ 村田 哲 大槻 マミ太郎
出版者
日本皮膚悪性腫瘍学会
雑誌
Skin Cancer (ISSN:09153535)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.181-188, 2015 (Released:2015-02-04)
参考文献数
4

症例1:59歳,女性。6年前に肛囲SCC切除後,陰部皮膚転移を繰り返す。両側会陰~膣,肛門までの病変を一塊にして切除,両側の大伏在静脈でのV-NAF flapで再建した。症例2:90歳,女性。陰部に生じた8 cm大のSCC。陰核から左右小陰唇にかけて切除し,両側の大伏在静脈でのV-NAF flapで再建した。症例3:89歳,男性。左膝外側に生じた3 cm大のmyxofibrosarcoma。筋腱膜を含めて切除,左大伏在静脈での逆行性V-NAF flapで再建した。症例4:80歳,男性。右鼠径部に生じた4 cm大の基底細胞癌。鼠径管から剥離し切除,右大伏在静脈でのV-NAF flapで再建した。V-NAF flapは動脈の穿通枝を栄養血管とする従来の筋皮弁と異なり,皮静脈と皮神経の伴行血管を栄養血管としているため,遠位茎でも近位茎でも作成できて適応範囲が広く,特に大伏在静脈でのV-NAF flapは手技が簡便であるという特徴がある。皮弁採取部位が原発巣からのリンパ流を受けることに注意する必要があるが,適応を選べば有用な再建方法であると思われる。
著者
芋川 玄爾
出版者
日本皮膚悪性腫瘍学会
雑誌
Skin Cancer (ISSN:09153535)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.157-164, 2003-10-31 (Released:2010-08-05)
参考文献数
11
被引用文献数
1

A series of our studies demonstrated that wrinkling on the human face is initiated at the eye corner which is the most frequently sun-exposed area. The depth of the wrinkling was found to be paralleled by the diminished elastic property in the same area, indicating that a significant decrease in the skin elasticity is mainly responsible for the formation of wrinkling. In our studies using rat hind limb skins for elucidating the causative factors of the reduced elasticity, we found that wrinkle formation in the skin following long-term UVB irradiation was accompanied by decreases in skin elasticity and the concomitant curling of elastic fibers in the dermis which suggested that the tortuosity of dermal elastic fibers is an important determinant in reducing the skin elasticity. Since the damage in three dimensional elastic fiber structures seems to be attributable to the partial digestion by elastases, the degradative enzymes for elastic fibers, whose activities in the dermis were enhanced by repeated UVB irradiations, we determined whether the inhibition of elastase activity in vivo would prevent the damage of dermal elastic fibers and might eradicate wrinkle formation associated with the loss of skin elasticity. Because the major elastase in the skin under non-inflammatory onditions is skin fibroblast elastase, we used a specific inhibitor of that enzyme to assess its biological role in wrinkle formation. The hind limb skins of Sprague-Dawley rats or hairless mice were irradiated with UVB at a suberythemal dose 3 times a week for 6 weeks. During that period, 0.1-10.0 mM N-phenetylphosphonyl-leucyl-tryptophane (NPLT), an inhibitor of skin fibroblast elastase, was applied topically 5 times a week. NPLT application at concentrations of 0.1-1.0 mM eradicated wrinkle formation in a dose-dependent manner, with a peak for inhibition at 1.0mM. This inhibition was accompanied by a continued low tortuosity of dermal elastic fibers and a maintenance of skin elasticity. These findings suggest that skin fibroblast elastase plays an essential role in the degeneration and /or tortuosity of elastic fibers induced by cumulative UVB irradiation and that its inhibition would provide a desirable model for preventing sun-induced wrinkling. [Skin Cancer (Japan) 2003; 18: 157-164]
著者
髙橋 沙希 和田 秀文 白田 阿美子 渡邊 友也 蒲原 毅 向井 佑希 小池 泉 相原 道子
出版者
日本皮膚悪性腫瘍学会
雑誌
Skin Cancer (ISSN:09153535)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.179-184, 2019 (Released:2019-02-28)
参考文献数
18

症例1:66歳,男性。26歳時に菌状息肉症と診断されるも通院を中断。65歳時より紅斑が隆起しエトレチナート内服と紫外線照射を開始したが改善乏しく当科を受診。顔面と上肢に結節,潰瘍があり閉眼困難な状態。症例2:66歳,男性。21歳時に乾癬と診断。ステロイド外用・内服治療したが,緑内障を契機に中断。61歳時に体幹の皮疹が隆起し,潰瘍を形成し当科を受診。2例とも菌状息肉症腫瘍期と診断。低用量エトポシド内服と腫瘤病変への局所電子線照射の併用で潰瘍・腫瘤は数ヵ月で上皮化・平坦化した。治療に伴う重大な副作用は認めず,比較的短期間で患者のQOL向上を得た。近年,菌状息肉症に対する複数の新規治療薬が本邦でも発売され全身療法の選択肢が広がりつつある。一方でエトポシドのような古典的な抗癌剤でも電子線との併用で本報告のように著効が期待できる症例もある。併用療法が効果を示す機序はまだ不明であり,今後,症例数を蓄積する必要があると考える。
著者
中村 考伸 出光 俊郎 塚原 理恵子 小山 尚俊 中村 哲史 飯田 絵理 正木 真澄 梅本 尚可 加倉井 真樹 山田 朋子 堂本 隆志 中川 秀己 伊東 慶悟
出版者
The Japanese Skin Cancer Society
雑誌
Skin Cancer (ISSN:09153535)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.350-354, 2013

33歳,女性。10年前から左足底に褐色斑があり,受診した。初診時,左足底に径7×5 mm大の黒褐色斑があり,辺縁不整で色調に濃淡がみられた。ダーモスコピーではparallel furrow patternとirregular fibrillar patternを示した。臨床的にはmelanoma <i>in situ</i>を疑う所見であったが,ダーモスコピーでは良性病変を示唆する結果であり,切除生検を施行した。病理組織では表皮内にメラノサイトが孤立性,あるいは胞巣を形成し,一部は付属器浸潤もみられるなどmelanoma <i>in situ</i>の可能性が否定できず,切除瘢痕辺縁から5 mm離して,再切除を施行した。<br> 病理組織像を再検討したところ,Saidaの提唱したpseudomelanomaに一致する良性の色素性母斑の可能性が高いと診断した。類似の診断名としてはmelanocytic acral nevus with intraepidermal ascent of cells(MANIAC)などが報告されている。足の色素性病変におけるダーモスコピー上の良性所見と組織学的にメラノーマに類似する所見の解離についてはさらに周知しておく必要がある。
著者
久保 是一 久保 元敏 井上 勝平 出盛 允啓
出版者
日本皮膚悪性腫瘍学会
雑誌
Skin Cancer (ISSN:09153535)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.439-446, 1993-12-20 (Released:2010-08-05)
参考文献数
13

The true route of contamination of the Namikata arsenical poisoning incident in Shikoku, which took place in 1933-1935, has remained unclarified, in spite of intensive on-the-spot investigations. The Toroku mine in Miyazaki, Kyushu, had produced arsenicals for scores of years until its complete discontinuance of operations in 1962. The arsenious acid produced there increased between 1921 and 1941, most of which was transferred to Ohkunojima, an islet in Tadanoumichou, Hiroshima Prefecture as materials for lewisite [ (CHCl: CH) 2 AsCl], a poisonous gas, it has been disclosed.Marine shipping agents in Namikata and nearby towns, well aware of the Inland Sea, transported various things in small boats carrying only 2 to 4 persons, often family members from Kyushu to Osaka and Kobe areas. We assume that this was the route of contamination in the Namikata arsenical poisonig incident because of the following reasons: Most of the patients were young 20 to 30 year-old seamen, most of them were family members, such as a man and his child, man and wife, man and cousins, no aged persons or children had been affected. An episode which was told one of us (Kubo, who has worked in Namikata where the incident took place) was that there was a strong demand of a man that there should be no mention of the death in connection with her job when a 47 aged wife died of lung cance in 1956 and her death certificate was prepared, because it would inform her relatives that poisonous materials had been sent with them.
著者
梶原 一亨 井上 雄二 永田 貴久 境 恵佑 西 一彦 尹 浩信
出版者
日本皮膚悪性腫瘍学会
雑誌
Skin Cancer (ISSN:09153535)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.273-276, 2008-03-25 (Released:2010-08-05)
参考文献数
15

66歳, 男性。幼少時期より陰茎に類円形の黒色斑があることを自覚していた。2006年4月に同色素斑上に結節を生じ, 徐々に増大し, 6月ごろに表面が潰瘍化してきた。初診時には, 陰茎体部包皮小帯を中心とした30mm×25mmの色素斑と表面が潰瘍化した23mm×18mm×3mmの黒色腫瘤を認めた。一部生検にて悪性黒色腫と診断し, 陰茎切断術, センチネルリンパ節生検および右鼠径リンパ節郭清術を施行した。pT4bN1bM0, stage IIIC, Tumor thickness=4.7mmであった。
著者
川端 康浩 帆足 俊彦 大原 國章 日野 治子 玉置 邦彦
出版者
日本皮膚悪性腫瘍学会
雑誌
Skin Cancer (ISSN:09153535)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.149-153, 1999-09-20 (Released:2010-08-05)
参考文献数
11

We report 6 malignant melanomas of the nail apparatus in situ. All cases showed melanonychia striata extended over whole nail with the periungual pigmentation (Hutchinson's sign) clinically. Proliferations of atypical melanocytes were seen limited in epidermis histopathologically. The nail surface profiles by dermatoscope were composed of linear pigmentation, whereas the periungual pigmentation showed diffuse irregularly shaped pigmentation distributed in a disorderly fashion as well as acral lentiginous melanomas in situ. In contrast, both the ungual and the periungual surface profiles of pigmented nevi showed longitudinal linear pigmentation. These distinctive features of surface profiles are very helpful for the differential diagnosis of the longitudinal melanonychia striata with the periungual pigmentation.
著者
会沢 敦子 株本 武範 折目 真理 浅野 幸恵 松山 麻子 藤原 浩 伊藤 雅章 三井田 博
出版者
日本皮膚悪性腫瘍学会
雑誌
Skin Cancer (ISSN:09153535)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.58-62, 2014

56歳,女性。両親はいとこ婚。生下時より毛髪と虹彩の色素異常,弱視があった。2011年1月頃より左大腿に易出血性の紅色結節が出現した。前医で切除生検された病理組織では,びらん表面から真皮中層に,HMB45,melanA,S100蛋白,Fontana-Masson染色で陽性となる異型なメラノサイトが増殖しており,悪性黒色腫(MM)と診断され,同年4月に当科を紹介受診した。拡大切除術,分層植皮術を施行し,センチネルリンパ節生検は陰性であった。pT3bN0M0 stage ⅡBと診断し,術後インターフェロン局注療法を行っている。眼皮膚型白皮症(OCA)については遺伝子検索を施行し,Ⅰ型と診断した。OCAと有棘細胞癌や基底細胞癌を含む皮膚悪性腫瘍の合併は多く報告されているが,MMとの合併は少ない。
著者
斎田 俊明
出版者
日本皮膚悪性腫瘍学会
雑誌
Skin Cancer (ISSN:09153535)
巻号頁・発行日
vol.8, no.Special, pp.161-186, 1993-06-05 (Released:2010-08-10)
参考文献数
54
被引用文献数
4 3

皮膚に原発する悪性黒色腫の診断と治療について, 筆者らの経験と内外の文献に即して記述した。まず, 本腫瘍の疫学的事実と最近の動向を通覧した後に, 臨床所見上の特徴と鑑別診断について記載し, 特にその発生様式をめぐる議論について考察し, 早期病変に関する筆者らの考え方を記述した。次に, 悪性黒色腫の生検の当否について論述した後に, 本腫瘍の病理組織学的特徴を記載し, 特にしばしば誤診 (over-diagnosis や underdiagnosis) を生じる Spitz nevus といわゆる dysplastic nevus との鑑別法について要点を述べた。さらに, 本腫瘍の病期分類を解説した後に, 病期別の治療原則を述べ, 予防的リンパ節郭清をめぐる問題点と足底, 爪部の悪性黒色腫の手術法について記載した。最後に, 病期別の予後と本腫瘍の血中および尿中マーカーとしての 5-S-cysteinyldopa について記述した。