著者
石原 嗣郎 佐藤 直樹
雑誌
第46回日本集中治療医学会学術集会
巻号頁・発行日
2019-02-04

現在、生理学的根拠・知識、権威に基づく医療、個人的な経験によるものではなく、患者背景、医師の技量、エビデンスを3つの柱とした、いわゆる根拠に基づく医療(evidence based medicine, EBM)を行うことが多くの場面で求められる。そのEBMを実践する上で、エビデンスのピラミッドからも見て取れるように、ランダム化比較試験が最もエビデンスレベルの高い手法であり、この手法のみが交絡因子を排除することが可能である。つまり、薬物やある治療法がある集団で効果があるかどうかを検証する方法としてはRCTが最も優れた手法であると言える。しかし、RCTの問題点として、コストの問題、外的妥当性の限界など、様々である。ただ、EBMに基づく医療を掲げるのであれば、RCTにおける対象群やプロコール、解析方法などに対して批判的吟味を行った上で実臨床につなげる必要があることは自明のことであり、RCTから得られた結果をどう使うかも、やはりEBMに基づく診療と言える。