著者
石山 志央子 小林 央美 新谷 ますみ
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
vol.116, no.2, pp.31-36, 2016-10-14

学校において学級担任をはじめとする教職員により行われる健康観察は,日常的に子どもの健康状態を観察し,心身の健康問題を早期に発見して適切な対応を図り,学校における教育活動を円滑に進めるための重要な活動である。そこで,特に児童生徒と日常的に関わり教育活動を進める学級担任の行う健康観察に着目しその実態について質問紙調査を行った。結果,朝の健康観察は,小学校では98.8%,中学校では100.0%,高校では73.5% の割合で実施していた。校種別にみた朝の健康観察の主要な方法は,小学校では「健康状態申告方式」,中学校では「自己申告方式」,高校では「観察方式」であった。朝の健康観察は「体調不良を訴えた児童生徒の経過観察」に最も活かされていた。健康観察の機会の内,「朝の会」を小学校では特に大切にしていた。高校では,「清掃時」や「放課後」等も大切にしていた。朝の健康観察の方法は発達段階に応じて選択されており,その日一日の教育活動で行う健康観察に連動されるように活かされており,特に重点的に行う必要があることが示唆された。