著者
石田 尚之
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.15, no.6, pp.253-259, 2015 (Released:2018-02-01)
参考文献数
33

疎水性引力は,水溶液中にある疎水性の表面間にvan der Waals引力をはるかに上回る長距離から強い引力が働く現象であり,液相コロイド分散系の挙動に重要な影響を及ぼす。しかし,なぜこのような長距離引力が働くのかというメカニズムについては,多くの研究例があるにもかかわらず長く不明であった。本稿では,原子間力顕微鏡 (AFM) による直接測定を中心とした検討により,疎水性引力の発生メカニズムの 「謎」 の解明を目的とした研究について,その成果を俯瞰したい。