著者
重久 真季子 岡本 好正
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.19, no.8, pp.331-336, 2019 (Released:2019-09-25)
参考文献数
5

衣料用柔軟仕上げ剤の市場では,香りが残るタイプの市場拡大が顕著であり,それらは近年の日用品における香りブームを牽引してきた。いまや柔軟剤は,衣類を柔らかくする目的だけでなく,香りを楽しむものとして使用されており,若年層を中心に「好きな香りが長続きすること」が求められている。柔軟剤として好まれる香りは,爽やかな香り,華やかな香りであるが,それらの香調を構成する香料成分は,親水性および揮発性が高いものが多く,柔軟剤に配合しても,洗濯浴中ではすすぎ水に分配されるため吸着しにくく,衣類には残りにくい。このような課題を解決するため,吸着性および徐放性を向上させうる香料前駆体に着目し,柔軟剤への応用を検討した。この香料前駆体は,水分によって爽やかで華やかな香りを産生する特長を持つため,心地よい香りのゆらぎを感じさせる香りの新価値提案につながった。
著者
吉野 知子 前田 義昌
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.14, no.10, pp.433-438, 2014 (Released:2017-02-01)
参考文献数
23

磁性細菌は細胞内にナノサイズの磁性粒子を合成する。このナノ磁性粒子はマグネタイト(Fe3O4)からなるコアを持ち,多くのタンパク質を含む脂質二重膜で覆われている。これまでに磁性細菌の遺伝子改変技術が開発されており,組み換えタンパク質の発現ホストとしての利用が試みられている。特に,粒子膜中のタンパク質をアンカータンパク質として用いることで,機能性タンパク質をディスプレイした磁性粒子の創製が可能である。本稿では,当研究室で開発された磁性粒子上へのタンパク質ディスプレイ技術の基本戦略を概説した後に,難発現性タンパク質のディスプレイを目指した近年の取り組みを紹介する。この中では,テトラサイクリン誘導発現システムの開発や変異株の作出,更には “in vitroドッキング法” と呼ばれる方法が開発され,膜タンパク質や抗体といった難発現性タンパク質を磁性粒子上に効率的に発現させることが可能となった。これらの遺伝子組み換えツールを駆使して構築された新規機能性磁性粒子は,バイオテクノロジー分野における様々な用途に応用できると期待される。
著者
岡田 健成 島 亜衣 竹内 昌治
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.23, no.6, pp.321-327, 2023 (Released:2023-06-17)
参考文献数
22

近年の環境意識の高まりの中,低環境負荷なタンパク質として細胞から作る食品である細胞性食品,なかでも培養肉が注目されている。本稿では,培養肉の注目背景やその作り方の概要について述べる。その上で,特に「培養ステーキ肉」の実現に焦点を当てレビューする。新鮮な牛肉から得られたウシ筋衛星細胞,筋芽細胞を含有するハイドロゲルシートの積層によって約1cm角の培養サイコロステーキ肉を作製する方法を紹介するとともに,国内研究機関で初めて実施した培養肉試食の取り組みについて報告する。培養肉の官能評価が研究室で可能になったため,今後美味しさの観点から研究開発がより進展すると期待される。
著者
小倉 英史
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.13, no.11, pp.533-538, 2013 (Released:2016-02-01)
参考文献数
8

近年,柔軟仕上げ剤市場は拡大傾向にある。従来,柔らかさ等の風合いが重視されてきたが,次々と 「香り」 を訴求した柔軟仕上げ剤が市場へ導入されている。香りも,単に良い香りがするだけでなく,その香りが強く,長く持続することも求められるようになってきた。また,柔軟仕上げ剤の香りは,機能性向上,心理的作用へも寄与する。本稿では,柔軟仕上げ剤の 「香り」 にフォーカスし,良い香りを持続するための技術開発,および香りの効果・効能に関する研究について解説する。
著者
奥山 治美 山田 和代 宮澤 大介 安井 裕子 市川 祐子
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.8, no.10, pp.421-427, 2008 (Released:2013-06-01)
参考文献数
24

“動物性脂肪とコレステロールの摂取を減らして高リノール酸植物油を増やすと, 血清コレステロール値が下がって心疾患が予防できる” というコレステロール仮説は誤っていた。この説に基づく指導を長期に続けても血清コレステロール値は下がらず, むしろ心疾患死亡率が上がり, 寿命が短くなることがわかった。一方, 大部分の人 (40~50歳以上の一般集団) にとっては, 血清コレステロール値が高い群ほど癌死亡率が低く長生きであった。すなわち, “飽和脂肪酸に富む動物性脂肪が血清コレステロール値を上げ, 心疾患の危険因子となっている”, と考える根拠は崩壊した。心疾患の危険因子はコレステロールではなく, 摂取脂肪酸のn-6/n-3バランスであった。最近トランス脂肪酸 (水素添加植物油) の安全性の問題が再びクローズアップされ, 代替油脂としてパーム油がわが国の供給植物油の20%を占めるまでに至っている。しかしパーム油は動物実験で発癌促進, 寿命短縮などの有害作用を示す。他にも動物に類似の有害作用を示す食用油が数種ある。このような安全性の確立していない植物油に対し, 動物性飽和脂肪 (バター, ラードなど) の安全性が強調できる。メタボリック症候群の危険因子はタンパク質, 糖質を含めた栄養素の過剰摂取による過栄養 (over-nutrition) であり, 動物性脂肪は肥満にならない範囲で安全に摂取できる。
著者
牧野 公子
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.1, no.9, pp.949-954, 2001-09-01 (Released:2013-04-25)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1
著者
青山 敏明
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.3, no.8, pp.403-410,386, 2003-08-01 (Released:2013-06-01)
参考文献数
65
被引用文献数
2 2

中鎖脂肪酸は, 通常油脂中の長鎖脂肪酸と消化吸収性が大きく異なり, 肝臓に直接運ばれ, 素早く酸化されてエネルギー源となる。この結果, 食後の熱産生が高く, 食後の血中トリグリセリド濃度が上昇しない。また, 中鎖脂肪酸は通常の条件で安全と確認されている。最近, 中鎖脂肪酸トリアシルグリセロール (MCT) および中・長鎖トリアシルグリセロール (MLCT) の体脂肪蓄積抑制効果がヒトの長期摂取試験で示された。このMLCTは, 中鎖脂肪酸が比較的少量であるが体脂肪蓄積抑制に有効であり, 汎用食用油として有用である。
著者
西田 康宏
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.12, no.10, pp.525-531, 2012 (Released:2015-02-14)
参考文献数
44
被引用文献数
1 2

アスタキサンチンとは,自然界において甲殻類,魚類,鳥類などの幅広い生物に認められるカロテノイドに属する美しい赤橙色を示す色素である。従来からアスタキサンチンは魚類・家禽の色揚げ剤として養殖産業で利用されてきたが,1980年代後半からアスタキサンチンの優れた脂質過酸化抑制作用,一重項酸素消去能が報告され,1990年代初めにヘマトコッカス藻を用いた大量培養による天然物由来によるアスタキサンチンの商業生産方法が確立されて以降,ヒト用途への利用が期待されるようになり,アスタキサンチンの生理活性などが盛んに研究されるようになった。その結果,多くの有用な機能性が見出され,サプリメントなどの機能性食品や化粧品等,多岐にわたる用途に使用されつつある。本稿では,微細藻類であるヘマトコッカス藻によるアスタキサンチンの生産やアスタキサンチンの有用性の一つとして挙げられる,メタボリックシンドロームなど生活習慣病や代謝に与える影響について紹介したい。
著者
菅野 道廣
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.17, no.5, pp.217-222, 2017 (Released:2019-08-05)
参考文献数
31
被引用文献数
1

本誌17巻第2号(2017)に掲載されたビタミンとしてのコリンの生理活性についての日比野の論文1)は関連分野の理解に大いに資するものであが,コリンの代謝産物で,健康と関わりがあるトリメチルアミン-N-オキサイド(TMAO)に関しては割愛されている。 摂取したコリンの一部は腸内細菌によってトリメチルアミンに変換され体内に取り込まれ,肝臓においてTMAOに変換され,動脈硬化の危険因子となることが指摘されている。したがって,TMAOは安全性と関わる成分でもある。実際には,コリンはそのものとしてよりも大部分がホスファチジルコリン(PC)として摂取れているが,PCは動脈硬化予防的に働くことが指摘されていて,問題は複雑である。卵はコリンのよい供給源であり(Lタイプで147 mg),1 日1~2個程度の摂取では血清中のTMAOレベルの上昇は認められないようである。腸内細菌との関わりは,コリンの認知機能とも結びつく興味深い話題の1つでもある。
著者
松崎 典弥
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.23, no.6, pp.311-314, 2023 (Released:2023-06-17)
参考文献数
6

近年,将来の食料問題や環境問題の解決策として代替肉や培養肉が注目されている。我々は,3Dバイオプリントを応用した組織工学技術を基に霜降り構造を有する和牛培養肉の作製を報告した。本稿では,培養肉の背景と我々の取り組みについて紹介する。
著者
八木 雅之 髙部 稚子 石崎 香 米井 嘉一
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.67-73, 2018 (Released:2019-09-02)
参考文献数
55
被引用文献数
1

糖化(glycation)はアミノ酸やタンパクと還元糖の非酵素的な化学反応で生体内のさまざまなタンパクに起こる。糖化したタンパクはカルボニル化合物を中心とする糖化反応中間体を経て,糖化最終生成物(advanced glycation end products: AGEs)に至る。糖化ストレス(glycative stress)は還元糖やアルデヒドによる生体へのストレスと,その後の反応を総合的にとらえた概念である。糖化ストレスの評価には糖化反応の過程で生じるさまざまな物質がマーカーとなる。糖化ストレスマーカーには,血糖,糖化タンパク,糖化反応中間体,AGEsがある。抗糖化作用の評価には,タンパクと還元糖を含むリン酸緩衝液中に試料を添加して反応させた後,生成したAGEsや糖化反応中間体の量を測定する。既に,多くの食品,化粧品素材に抗糖化作用が見つかっている。我々はこれらの素材を利用することで糖化ストレスによる老化や疾患を予防できる可能性がある。
著者
鈴木 素
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.21, no.9, pp.369-376, 2021 (Released:2021-09-04)
参考文献数
14

Covid-19は私たち人類に多くの気づきを与えた。そのひとつに先進諸国を中心に経済活動優先で進めてきた「人類中心の世界」から①変異ウィルスと②地球環境(気候変動による海面上昇,自然災害,水や食料・資源の枯渇問題等),そして③AI(2045年シンギュラリティ)とが共存する世界に突入したことを実感した。更に日本では急速に高齢化が進んでいる。持続可能な社会の実現のためには毎日着用するスマートテキスタイルやスマートウェアのイノベーションが欠かせない。従来型のアナログ洋服から未来のスマートテキスタイル・ウェアの進化について考察してみる。
著者
蓮沼 誠久 近藤 昭彦
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.95-101, 2014 (Released:2017-02-01)
参考文献数
10

低炭素社会の構築に向けて,再生可能で食糧と競合しないリグノセルロース系バイオマス資源からバイオ燃料や化学品を生産する 「バイオリファイナリー」 の確立が求められている。糖プラットフォームを用いるバイオエタノール生産を例に取ると,そのプロセスは、結晶化したバイオマスを膨潤化する前処理工程,バイオマスを加水分解する酵素処理工程,微生物による発酵工程,生産物の分離回収工程から成り立っており,省エネルギーかつ低コストなプロセス開発の成否が実用化の鍵を握っている。微生物の細胞表層にセルラーゼを集積させる「細胞表層工学技術」は,酵素生産と糖化,発酵をワンパッケージ化することが可能であり,プロセスを簡略化することができる。また、高価なセルラーゼ製剤の生産に必要となる材料や設備の省略が可能となる。一方で,発酵を効率化するには,微生物細胞内の代謝メカニズムを機能的な方向に改変する必要がある。筆者らはトランスクリプトーム解析やメタボローム解析等のマルチオミクス技術を活用して微生物の代謝系を遺伝子レベルや代謝物レベルで網羅的に解析することで新規の微生物改変戦略を立案し,その発酵性能を向上させることに成功してきた。微生物をより優れたエタノール生産工場にするためには,代謝をシステムとして理解し,合理的に改変することが重要である。本稿では細胞表層工学技術と代謝工学技術を組合せた微生物によるバイオエタノール生産について紹介する。
著者
髙谷 正敏
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.13, no.9, pp.423-428, 2013 (Released:2016-02-01)
参考文献数
11
被引用文献数
1

エリスリトールは,ショ糖の約75%の甘味をもつ四炭糖の糖アルコールである。ブドウ糖を原料として酵母の発酵により生産される “ブドウ糖発酵甘味料” であり,糖質では唯一のカロリーゼロの甘味料である。消費者の健康志向を背景として,エリスリトールは,あらゆる分野での低カロリー製品の検討やシュガーレス菓子の検討などに利用されている。本稿では,エリスリトールの生理的特性や物理化学的特性を中心に紹介し,その特性を利用した使用例についても紹介する。
著者
樋口 智則 松本 善行
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.22, no.9, pp.451-457, 2022 (Released:2022-09-03)
参考文献数
24

洗顔料やクレンジング化粧料等のスキンケア洗浄剤は,余分な皮脂やメイク等への高い洗浄力だけでなく,顔に使用する剤型でもある為,特に肌に優しい低刺激な洗浄成分が求められる。そこで我々は,リーブオンタイプのスキンケア製品にもよく使用される安全性の高いポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE)に着目し,洗浄成分として使用した際のスキンケア効果について検討を行っている。各種評価の結果,PGFE配合の洗浄処方は,肌バリア機能への影響が少なく,また角層の多重剥離抑制効果を示し,さらに角栓を小さくして毛穴周りの角層タンパク質のカルボニル化レベルを低減させる効果を示した。本稿では,PGFEの持つ洗浄性,自己会合性,保水力とタンパク質への吸着挙動という観点から,洗浄剤処方配合時により製品価値を高めるスキンケア効果について紹介する。
著者
鈴木 豊史 鈴木 直人 金沢 貴憲
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.61-69, 2020 (Released:2020-02-06)
参考文献数
30

血液-脳関門(BBB)は,全身投与後の薬物を脳に送達する際の主要な障壁である。中枢神経疾患に対する治療薬の創薬開発は,薬物を脳に選択的かつ効率的に送達する技術の開発が律速であるため,他の疾患領域と比べ特に困難を極めている。鼻腔内経路は,経口および非経口経路を超えるいくつかの利点を有する。なかでも経鼻投与された薬物は,BBBを迂回することができ,主に嗅覚および三叉神経経路に沿った輸送を介してさまざまな脳領域に分布する。そのため,鼻腔内経路は中枢神経疾患に対する治療薬を脳に直接送達できる非侵襲的で簡便な投与経路として注目され,ナノシステムの利用により近年脳に薬物を標的化できる可能性が示されている。本総説では,鼻腔内からの薬物吸収性,鼻から脳への薬物送達に関与する輸送機構と鼻腔内薬物送達に利用されるナノシステムの役割について,我々の最近の知見を交えて概説したい。

5 0 0 0 OA 吸着の化学

著者
安部 郁夫
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.2, no.5, pp.275-281, 2002-05-01 (Released:2013-04-25)
参考文献数
15
被引用文献数
2
著者
王 梓 大畑 佳久 千葉 卓哉
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.55-60, 2018 (Released:2019-09-02)
参考文献数
36

老化や寿命は,環境などに影響される確率的な要素が大きいと考えられていたため,遺伝学や分子生物学の研究対象として扱われるようになるのが発生学などと比べて遅れていた。しかし近年,モデル生物や高等生物をもちいた寿命研究が精力的に行われ,いくつかの老化制御シグナルが複数の生物種に共通して存在していることが明らかとなってきた。それらはインスリン/インスリン様成長因子-1(insulin/insulin-like growth factor-1: IGF-1),sirtuin 1(SIRT1),mammalian target of rapamycin(mTOR)経路などである。さらに,これらの細胞内シグナル伝達経路を標的として,実験動物の寿命を延長させる物質がいくつか報告されている。それらの物質は,カロリー制限による寿命延長効果を模倣する物質としても知られている。米国では,そのような物質の一つをもちいて抗老化薬としての大規模なヒト臨床試験が行われており,数年後にはその結果が報告されることになっている。本稿では,上記のこれまでに明らかになっている老化制御シグナル,およびその制御物質について概説するとともに,植物由来の機能性成分の中で老化制御因子として注目されている物質について紹介する。