著者
石田 泰博 前野 隆司
出版者
日本創造学会
雑誌
日本創造学会論文誌 (ISSN:13492454)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.22-41, 2018 (Released:2018-04-01)

モノからコト消費へのトレンド変化に伴い,商品やサービスを通した感動経験提供による差別化ニーズが高まっている.人を感動させる製品やサービスを設計する際には,ランダムではなく,時間軸上の配置を考慮した感動要素の設計が必要であると考えられる.このため,筆者らは,時間軸上の感動要素の配置を分析するためのフレームワークを提案した.すなわち,感動の対象となる感動要素を配置するタイミングの分析手法をフレームワーク化した.さらに,提案したフレームワークを実際に使用した結果の検証を行った.感情の高ぶり(Sense),知見拡大(Think),体験拡大(Act),関係性の拡大(Relate)のSTAR感動要素によって,どの時間軸で感動を喚起できるかの点から,歴代興行収入が高く多くの人に感動経験を提供した映画作品(アナと雪の女王)の感動事象を分析することで,本フレームワークの有効性を確認した.