著者
石田 由美子
雑誌
桜美林言語教育論叢 (ISSN:18800610)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.109-124, 2008-01-01

個人の言語管理は、国・政府が行う言語政策に大きな影響を受けることは免れず、多言語が日常的に使用されている国・地域に住む個人と、主に一つの言語が優勢な国・地域に住む個人は、それぞれに違った規範をもって言語管理をしていると思われる。本稿では石田(2006)で考察した個人言語管理の概念および個人言語管理における多言語使用者の規範についてさらに深く考察するために、日本社会における日本語母語話者を単言語使用者の例として調査し、特に席次と習得についての規範に焦点をあてて分析を行った。その上で多言語使用者の規範と比較し、単言語使用者の個人言語管理の特徴について考察を行った。