著者
石田 英之
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.123, no.5, pp.329-334, 2004 (Released:2004-04-27)
参考文献数
10
被引用文献数
3 5

細胞死にはネクローシスとアポトーシスがあり,両者ともミトコンドリアによってその運命が制御されている.とくにミトコンドリアPermeability Transition Pore(PTP)の開口は,チトクロムCの遊離を起こしてアポトーシスを誘導することはよく知られている.また,ミトコンドリアPTP開口阻害薬であるシクロスポリンA(CsA)が虚血再灌流障害によるネクローシスを抑制するとの報告もある.このように,ミトコンドリアPTPは,細胞の生死を調節する重要な因子であるが,その詳細は充分解明されていない.ここでは,ミトコンドリアPTPに関する最新の研究方法と心筋細胞死におけるミトコンドリアPTPの役割に関する検討を例にして,実験法を紹介する.