著者
三代 幸彦 石見 隆夫
出版者
Japanese Association for Oral Biology
雑誌
歯科基礎医学会雑誌 (ISSN:03850137)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.576-580, 1981-12-20 (Released:2010-10-28)
参考文献数
18

いくつかのアミノ酸が唾液内乳酸産生を抑制した。ヒト汚染全唾液にグルコースとアミノ酸を加えて好気静置下にインキュベートすると (グルコース100mg/100ml, アミノ酸10mM), アミノ酸無添加時にくらべ乳酸量が低下する場合がある。その低下率は次のようであった。(1) システイン, イソロイシン, ロイシンは, いずれもすべての被検者 (9名) において30~70%,(2) スレオニン, セリン, アルギニンはそれぞれ7名, 4名, 3名の被検者において20~60%,(3) トリプトファン, リジンは各2名, ヒスチジン, アラニン, グリシン, バリンは各1名において20~30%であった。なお, フェニルアラニン, アスパラギン, グルタミン酸, グルタミン, プロリンは, すべての被検者において低下を全く示さなかった。