著者
碓井 誠
出版者
一般社団法人 グローバルビジネス学会
雑誌
グローバルビジネスジャーナル (ISSN:24340111)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.9-17, 2015 (Released:2019-08-07)
参考文献数
5

小売業はドメスティックな産業だと言われてきたが、新興国も含めた消費行動、経済成長、価値観の変 化を背景に、グローバル産業としての進展が広がっている。グローバルリテーラーに共通な特徴の一つは、 バリューチェーンの一気通貫でのデザインをベースとした事業インフラの強化と柔軟性である。こうした イノベーションがどう進められたかは大きな示唆を与えるものと言える。しかし、日本の小売業の海外展 開は大きな遅れを取っており、唯一、セブン-イレブン・ジャパンを中心としたコンビニエンス業態のみ が、大きな成功を収めていると言える。 本論文では、日本、米国、中国の小売業態を概観し、セブン-イレブンが各国の異なる環境下で事業イ ンフラの整備と柔軟な市場対応を図るに至った成功要因を分析し、その共通性を整理する。