著者
磯沼 大 藤野 暢 浮田 純平 村上 遥 浅谷 公威 森 純一郎 坂田 一郎
雑誌
研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:21888779)
巻号頁・発行日
vol.2016-NL-227, no.6, pp.1-6, 2016-07-22

近年,記事生成などへの自動要約技術の適用が注目されている.本研究で対象とする決算記事は,どの事業や事象が企業全体の業績変動に大きな影響を及ぼすかといった記者の知見をもとに作成される.したがって自動要約においてはこうした記者の知見を抽出し,情報抽出・要約に適用する技術が必要である.本研究では過去の決算短信と決算記事から業績変動と短信文の掲載パターンを学習し,記事に掲載されるべき文を決算短信から抽出する手法を提案する.提案手法は 2 パートに分かれ,第 1 パートでは各事業セグメントの業績変動と,記事掲載パターンを学習することにより,各事業セグメントの重要度を判定する.第 2 パートでは,判定した各事業セグメントの重要度と極性判定を用いることで各文の重要度を評価し,抽出を行う.極性判定では,決算記事中の各表現に関する極性を自動で獲得し,非負値行列因子分解 (NMF) による極性値推定を行うことで,決算記事に未出現の表現も含めた多様な表現に関する極性の獲得を可能にした.提案手法を適用して決算短信から抽出された文と実際の決算記事を比較した実験において,重要文抽出精度の評価を行い,事業セグメントの重要度判定と NMF による極性推定の有用性を確認した.
著者
磯沼 大 森 純一郎 坂田 一郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第37回 (2023) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.1T3GS605, 2023 (Released:2023-07-10)

近年、ChatGPTをはじめとした幅広いタスクに汎化できる汎用言語モデルを学習する方法として、タスクごとにプロンプトを付与しマルチタスク学習を行うinstruction tuningが注目されている。 これまで様々なプロンプトがinstruction tuningのために作成されているが、どのようなプロンプトがモデルの汎化性能向上に最適なのか明らかになっていない。 本研究では学習用プロンプトを二段階最適化により最適化するinstruction optimizationを提案し、instruction tuningに最適なプロンプトを明らかにする。 評価実験において、タスクの指示をプロンプトに用いる実験設定(zero-shot)では、二段階最適化によりプロンプトを多様化することが汎化性能向上に有効である一方、タスクの例示をプロンプトに用いる実験設定(few-shot)では、多様な種類の例示ではなく同一の例示を用いる方が有効であることが明らかになった。